最近では女性の育毛グッズがずいぶん目につくようになりました。もはや女性でも男性と同じように薄毛になることは認知されつつあります。でも、それって中年から老人の間くらいに起こるんじゃないのと思っていませんか。じつは20代女性でも薄毛になる事例が報告されています。
若年性脱毛症になる人が増えている
女性でも髪が薄くなりはじめるのは通常30代を超えてからです。そのくらいの年になると若い頃よりも女性ホルモンが減少するせいで起こるのですが、20代の女性がなる薄毛はこれとはまったく異なります。
さまざまな要因からヘアサイクルが乱れ、髪に寿命が来る前に抜け落ちてしまっているのです。このようなことが原因で起こる10〜20代の若者の薄毛を若年性脱毛症と呼びます。
男性の場合は遺伝も関係していたりするのですが、女性の場合はほとんどが普段の生活習慣のせいで起こります。つまり特効薬はありません。一番効果があるのは原因となった生活習慣を正すことです。
若い頃はまだホルモンバランスが整わず、少しの変化で簡単に乱れてしまいます。女性の髪の発育には女性ホルモンが大きく関係しています。生活習慣のせいで自律神経が狂うと、一緒に女性ホルモンもすぐにバランスを失ってしまいます。結果髪の発育に異常をきたし、若くして薄毛になってしまうのです。
20代の女性の場合は、女性ホルモンのバランスが崩れると髪のサイクルの休止期が終わっても、毛母細胞が新たな髪を発毛させなくなります。これを休止期性脱毛症と呼んでします。正常なヘアサイクルなら休止期が来て成長の止まった髪が抜け落ちたら、その下からすぐに新しい毛が生えてきます。古い毛髪の細胞分裂が止まったら、抜け落ちる前から毛母細胞はその下に、新しい毛を準備しておくものなのです。
ところが休止期性脱毛症になってしまうと、いくらたっても新しい髪は生えてきません。
出産で休止期性脱毛症になってしまった場合は、しばらくするとまた髪の毛ははえてきます。けれどそれ以外で休止期性脱毛症になってしまうと、再び毛を生やすのは時間と手間がかかります。
女性が若年性脱毛症になる生活習慣とは
過激すぎるダイエット
よく若い日本人女性は細すぎると海外の人から言われています。他国と比べても類を見ないほど細い女性が多く、5人に一人は痩せすぎだそうです。そんな世の中ですから、より細くなろうと過激なダイエットに手を出す若い女性は多いです。一品だけ食べるダイエットや、断食に近い食事などです。
無茶なダイエットは身体を痛めつけ、女性ホルモンがほとんど分泌されなくなってしまいます。そのせいでヘアサイクルが狂い、薄毛になるのです。
痩せたいなら、運動を中心とし間食をなくすなど、身体に負担をかけない方法を選びましょう。
ヘアアレンジのやりすぎ
若い頃はいろいろな髪型にチャレンジしてみたいものですよね。パーマをかけてみたり、カラーリングをしてみたり。しかし、スタイリング剤、パーマ液、カラーリング剤、これらはすべて頭皮を傷つけます。一度の使用では変化がなかった薬剤も、やがてダメージが蓄積して使い続けているうちに、ヘアサイクルに異常をきたしてしまうのです。
薄着や露出の多い格好
寒い服でも、オシャレのためなら薄着で我慢する若い女性が多いです。重ね着はやぼったく見えてしまうかもしれません。けれど、冷えは万病の元です。身体が冷えたことで体温調節機能が狂い、やがて自律神経までおかしくなってしまうことがあります。カイロを貼る、保温性の高い下着をつけるなど、対策を行ってください。
間違ったシャンプー
刺激の強いシャンプーは頭皮を傷つけます。香りや手触りも大切ですが、まずは頭皮に優しい成分のものを選びましょう。また、若い女性の中には不潔を気にするあまり朝晩二回頭を洗う人がいます。一日の内に何度も頭を洗うと、頭皮に必要な油まで取ってしまい、育毛環境が悪化します。シャンプーは夜に一回で十分です。
また、十分にすすげていないと薬剤が頭皮の残り炎症の原因となります。とくに髪の長い女性は洗髪が難しくシャンプーがまだ付着していることがあります。すすぐときは三分以上を目安に、しっかり落としましょう。
喫煙
最近では若い女性でもタバコを吸うようになりました。男性の喫煙者が減少しているのですが、女性の喫煙者は横ばいで経減っていません。タバコに含まれているニコチンやタールには、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すれば血の巡りが悪くなります。すると頭皮へ血液が行かなくなり、頭髪の育毛が正常に行われなくなるのです。タバコを吸うと最初は気持ちが落ち着きますが、やがて依存症となり、吸わないとイライラするようになります。ストレスは女性ホルモンのバランスを乱し、薄毛の原因となります。タバコは様々な観点から育毛に悪影響を与えます。
若年性脱毛症を治したいなら
まずは上で書いた生活習慣を止めましょう。髪に血や栄養がちゃんと届くように、バランスの取れた食事をちゃんと食べます。ホルモンバランスを整えるために、規則正しい生活を心掛けてください。
若いから少しくらいの無茶なら大丈夫と思うかもしれませんが、大丈夫ではないこともあるのだと学んでください。若い元気なうちから薄毛になったのです。そのままの生活を30代〜40代と続けていたら、普通の人よりも髪の毛は悲惨なことになっているでしょう。
ただでさえ、一度大きく傷つけてしまったのです。これからはそれを挽回するよう、身体を労ってあげましょう。