「鼻がムズムズする」
「くしゃみが頻繁に出る」
「目がかゆい」
このような症状が、春先や秋頃に毎年あらわれるのであれば、花粉症の可能性が高いです。
花粉症シーズンは春だけでなく、植物によって春夏秋冬それぞれにシーズンがあります。
その中でも一番多いのがスギによる花粉症です。
今では国民全体の5人に1人、都心部では4人に1人が花粉症であるとされている上、年々増加傾向にあります。
中には花粉症とは認めたくない人もいるかもしれませんね。
花粉症の症状は人それぞれ異なってきます。
今回は、花粉症が原因となる症状についてご紹介します。
花粉症の代表的な四大症状
花粉症になるとあらわれる代表的な症状が4つあります。
目のかゆみ
花粉が目や瞼などに付着することで、強いかゆみが起こります。
ひどい場合は、白目の箇所や瞼が腫れ上がり、目が開けにくくなることもあるのです。
また、強いかゆみなので、つい目をこすってしまい、角膜や結膜を傷つけてしまことも。
さらには、目がゴロゴロとしたり、痛みやまぶしさを感じる、目がかすんで見えるなどの合併症状が引き起こす原因となります。
春先にかけて目がかゆくなるようであれば、花粉症の可能性が高いです。
くしゃみ
花粉症のくしゃみと風邪によるくしゃみの違いですが、連続して起こり回数が多いのが花粉症特有のくしゃみです。
回数目安としては7回以上続くと花粉症の疑いがあります。
また、風邪の場合は、数日中には収まりますが、花粉症だと花粉シーズンの間ずっと、くしゃみが続きます。
鼻水
花粉症による鼻水は、サラサラしており、いくらかんでも出てきます。
花粉シーズン中は、ずっと同じ状態が続きます。
風邪の場合は、はじめは花粉症と同じサラサラとした鼻水ですが、徐々に粘っこい鼻水へと変化し、最終的には膿のような色に変化していきます。
花粉症と風邪の違いはここで判断しましょう。
鼻づまり
花粉症による鼻づまりは風邪と比べて、とてもかたくなです。
最悪の場合、両方の鼻が完全に詰まってしまい、鼻呼吸ができない状態になることも。
花粉症による鼻づまりは、昼間に花粉を吸って、その吸った花粉による症状が夜になってあらわれるケースが多いのです。
そのため、良質な睡眠を取ることができず、口呼吸をしてしまうため、喉が乾燥して痛めてしまうこともあります。
また、鼻づまりによって十分な酸素を取り込むことが困難になり、集中力が落ちてしまうこともあるので、花粉症の症状でも一番つらいと感じやすいかもしれません。
他にも花粉症の症状があらわれる部分がある
花粉症の四大症状として「目のかゆみ」「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」を解説しましたが、この他にも花粉症によって症状があらわれる部分があります。
のどで起こる花粉症の症状
のどに花粉が付着することで、のどにかゆみが起こることがあります。
鼻づまりになることで、口呼吸をしつづけてしまう結果、のどの粘膜に花粉が付着しやすく、アレルギー症状としてかゆみが引き起こされると考えられます。
気管で起こる花粉症の症状
のどの粘膜から先に気管に花粉が混入することで、咳の症状がでることがあります。
咳も空咳みたいな感じで、花粉シーズン中ずっと続くこともあり、喘息に似た症状に近いです。
皮膚で起こる花粉症の症状
敏感肌の人だと、服などに覆われていない首や顔などに花粉が付着し、皮膚内へと染みこむことがあります。
その結果、「顔が赤く腫れる」「肌がピリピリする」など、肌荒れを引き起こします。
とくに、瞼などは皮膚が薄いため、化粧や涙、花粉の刺激によって腫れがひどくなることも。
また、アドピーがある人は、花粉に触れることでさらに悪化してしまうケースもあるそうです。
耳で起こる花粉症の症状
花粉が耳に入ってしまうことで、かゆみが出てしまうことがあります。
また、鼻から入った花粉が、鼻と耳をつないでいる部分に付着することで、かゆみの感覚が耳の方で感じるケースもあるそうです。
消化器で起こる花粉症の症状
花粉が口から入り、唾液とともに体内にはいることで、胃や腸などがアレルギー症状を起こすこともあります。
その結果、消化不良や食欲の低下などの症状があらわれます。
身体や精神で起こる花粉症の症状
花粉症による症状がつづくことで、身体や精神面で影響を及ぼすことがあります。
- 頭が重い
- 頭がぼぉ~っとする
- 怠い
- 不眠
- 熱っぽい
- イライラする
などになりやすく、仕事能率などに影響が出てしまう人もいるのです。
花粉症だと確実に判断するには病院で診断する
自分ではどうしても花粉症かどうか判断できない場合は、病院へ行って診断してもらいましょう。
病院によって診断方法は多少異なりますが、どの病院もほとんど同じ診断となります。
まずはじめに、問診によってあなたの症状を詳しく聞いて情報をまとめていきます。
その後、鼻の粘膜状態を調べる「鼻鏡検査」や、鼻水を染色して顕微鏡で調べる「鼻汁細胞検査」などで、アレルギーによる炎症かどうか診断していきます。
アレルギー症状の原因を調べる方法
具体的にどのアレルギー症状によって引き起こされているのか、詳しく知りたい場合は「血液検査」をすることで調べることができます。
調査するアレルギーの範囲によって、検査料が異なるので医師と相談して決めましょう。
血液検査することで、スギやヒノキ、埃やダニなどといった項目にたいして、アレルギーに対する反応値がそれぞれ表記されます。
この結果によって、どのアレルギーに対して症状が出るのか判明するので、対策する時期や方法も絞りやすくなります。
花粉症になる人とならない人の違い
花粉シーズンに突入すると多くの花粉が空気中を飛んで、誰もが花粉を吸っています。
それでも、花粉症になる人とならない人がいます。
その違いに一つに、遺伝的要因が関係しているのです。
いわゆる、「アレルギー体質」の人が花粉症になりやすいのです。
アレルギー体質の場合、花粉(抗原)を吸い込むと、「IgE(アイジーイー)抗体」という抗体を作ります。
このIgE抗体の量が一定水準に達すると花粉症による症状が発症してしまうのです。
つまり、花粉に対してIgE抗体が作られなければ花粉症にはならないわけです。
では、体内でIgE抗体が作られる人と作られない人の違いは何かというと、遺伝子によるものと考えられています。
しかし、この遺伝子の存在はまだ実証されてはいません。
いずれにしても、遺伝子レベルで決まる素因が、花粉症になる人とならない人の違いになるのです。
花粉症になったら来年もなる可能性が大きい
花粉症になる原因は、IgE抗体の量が一定水準を超えたときに発症します。
そして、一度花粉症になってしまうと、ほぼ100%に近い確率で来年の同じ時期に花粉症による症状があらわれます。
今年になって初めて花粉症になった人は、来年の花粉シーズンに向けて早めに対策をするように心がけましょう。
そうすることで、花粉シーズン中でも症状を和らげることができます。
まとめ
花粉症かなと思ったら、まずは花粉症特有の症状かどうか確認してください。
各症状を確認しても判断が迷うようであれば、病院へいって診察してもらいましょう。
もし花粉症に間違いないと確信した場合は、きちんと花粉対策を行い、極力花粉に触れないようにしてください。
一度花粉症になってしまうと、これから先も長く付き合っていくことになりますが、しっかりと対策を行うことで症状を軽減することができます。
そのためにも、花粉シーズンが本格的に入る前にしっかりと対策準備をすることが大切です。
この記事を読んで、少しでも花粉症の症状についてお役に立てたら幸いです。
【参考文献一覧】
『改訂新版 花粉症の最新治療』斎藤洋三著 (主婦と生活社)
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