ストレスは日常生活に潜むさまざまな要因が原因となり溜まっていきます。
もしストレスをそのままにしておくと、体に不調を引き起こす可能性があります。
それでは具体的にどのようなことが原因となりストレスが溜まってしまうのでしょうか。
また、ストレスによってどのような病気になってしまうのでしょうか。
この記事では、ストレスの原因と発症する病気について紹介していきます。
ストレスに悩まされている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
ストレスが溜まる理由
ストレスは生活環境によって起こり、厚生労働省が行っている「労働者健康状況調査」によると「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者は1982年の50.6%から年々増え、2012年には60.9%にまで増えています。
2012年の年代別の調査結果では、30歳代が65.2%で最もストレスを抱えているという結果が出ています。
次が40歳代で64.6%と、働き盛りの年代がとてもストレス度が高いというアンケート結果があります。
ストレスを感じる理由として、2012年は「人間関係」が41.3%と高く、次に「仕事の質」が34.9%、「仕事の量」が30.3%と続きます。
年代別で発生するストレス理由も考察されています。
20歳代のストレス理由
たとえば、就業生活を始める20歳代から30歳までの間は、初めての仕事場で仕事を覚えながら、新しい人間関係を構築しなければいけません。
また、仕事の適正についての悩みも増えるので、多くのストレスに襲われます。
30歳代のストレス理由
30歳代は職場や人間環境にも慣れてきますが、仕事の量や負担が増してきます。
さらに、プライベートでも結婚や子どもが産まれるなど、責任が増えていくことでストレスを感じる人もいます。
40歳代のストレス理由
40歳代は管理職になる人も多く、部下と上司に挟まれてしまう「サンドイッチ現象」によってストレスを受ける人が多くなる世代です。
50歳代のストレス理由
50歳代以降は仕事場では重要な役職に就く人もいれば、そうではない人もいるでしょう。
役職が高くなるほど、周りからのプレッシャーが重くなります。
一方で、役職に就けなければ社内での立場に悩まされるなど、立場が違ってもストレスを感じるようになります。
その他では、プライベートでも親の介護が始まることや、自分の定年後の心配がストレスとなり襲ってきます。
仕事の悩みや人間関係以外にも、学生ならば受験のストレス、経済難によるストレスなど原因は数多く存在します。
さまざまな症状があらわれるストレス反応とは
ストレスを多く感じると3つのストレス反応が見られるようになります。
1.心理面によるストレス反応
1つ目は「活気の低下」や「イライラ」、「不安感」、「抑うつ」など心理面での反応です。
仕事の疲労や睡眠不足、些細なことでイライラしてしまったり、やる気がなくなってしまい仕事もプライベートもおっくうで外に出たくないなどの反応があらわれます。
最悪のケースでは、社会復帰ができなくなる可能性も秘めていることです。
2.身体面によるストレス反応
2つ目は「体のふしぶしの痛み」や「頭痛」、「肩こり」、「腰痛」、「動悸息切れ」など身体面で発生します。
ストレスにより日頃から痛みを感じたり、自分が動けないことが原因で、さらなるストレスにつながってしまう可能性もあるのです。
また、食欲不振や安定した睡眠がとれなくなるなど、生活習慣が乱れる原因になったり、血圧の上昇や汗をかきやすくなるなど、普通の生活に支障が出るような症状がみられるようになります。
3.行動面によるストレス反応
3つ目は「仕事でのミスや事故」、「飲酒量」や「喫煙量」の増加など行動面で普段と違いが出るところです。
人とコミュニケーションをとらなくなったり、消極的になったりと内向的になっていきます。
また、ストレスから逃げようと飲酒量や喫煙量が増えることや、落ち着きがなくなり、身だしなみがだらしなくなるなど、外見的な特徴にもストレス反応は見えるようになるのです。
ストレス反応は自分では気づけないこともある
ストレス反応があらわれても、気がつかずにいるとネガティブな考えを持つようになったり、自分を追いつめすぎるようになったりしてしまい、さらなるストレスを積み重ねてしまう可能性があります。
そのような負のスパイラルから抜け出すためには、気を許せる知人や友人に話しを聞いてもらうことや、医師にカウンセリングを行ってもらうことが、自分を見つめなおすきっかけとなるのです。
ストレスによって発症する病気
ストレスを受けるとストレス反応以外にも、病気を発症する可能性があります。
心にかかわる病気
ストレスが原因で発症する病気の代表例で「うつ病」があります。
うつ病はメンタルヘルス不調が2週間以上続くと、かかっている可能性が高い病気です。
症状は、気持ちの落ち込みや憂うつな気分になる、趣味が楽しめない、体重や食欲の減少・増加、イライラする、疲れやすいなどのストレス反応が長く続きます。
身体にかかわる病気
また、ストレスの影響が身体にあらわれることを「心身症」と言います。
心身症は体の全体に及ぶこともあり、「気管支喘息」や「冠動脈疾患」、「心因性嘔吐」、「糖尿病」や「アトピー性皮膚炎」、「脱毛症」などを発症する可能性があります。
ストレスが原因で胃がキリキリするといった胃痛も心身症の一つで、放っておくと「急性胃炎」や「慢性胃炎」を発症してしまいます。
心身症の痛みには特徴的なものもあり、たとえば頭痛なら休日などの仕事の緊張がとけたときに血管が緩み、「片頭痛」を起こすことがあります。
睡眠にかかわる病気
仕事の不調や納期に追われているときは、「睡眠障害」や「不眠症」になることもあります。
不眠症になると、体の免疫力が落ちてしまい、2次障害を引き起こすリスクもあるので注意が必要です。
また、睡眠時に歯ぎしりが多くなることや、呼吸が止まってしまう「無呼吸症候群」に陥りやすくなります。
無呼吸症候群は気がつかないことも多く、早めに対処をしなければ最悪、死に至るケースもあるのです。
このようにストレスは心身共に病気を起こす可能性があり、2次障害につながることも多いので早めに対処する必要があることを覚えておきましょう。
ストレスの症状を把握する方法と対処方法
ストレスによって体に異常をきたしても、なかなか自分では気がつかなかったり、見て見ぬふりをしてしまったりするケースが多く、気が付いたときには重症化していることもあります。
ストレスを把握するコツ
まず、ストレスが溜まっていることや、ストレス反応が出ていることに気がつき、ストレスによる病気を発症する前に発散する術を身に付ける必要があります。
ストレスが溜まっているかを見分けるためには、信頼のおける知人や友人、職場仲間や保健スタッフなどに話をするのが良いでしょう。
今抱えている悩みを相談して、怒りや不安感を払しょくすることがストレスの緩和につながります。
もし親しい間柄やあなたのことを気にかけてくれる人なら、以前から変わった点や気になったことを伝えてくれるはずです。
また、自分がのめりこむことができる趣味や生きがいを持つことも大切です。
もし自分や周りに相談した程度では抱えきれない悩みができた場合は、専門家などに相談することも一つの解決方法です。
公的な相談窓口や医療関係のカウンセリングなど、悩みを聞いてくれる窓口は多く存在します。
ストレスの対処方法
ストレスをなくす対処法としては、職場関連なら総務や上司に相談をして職場環境の改善を相談することや、会社が無関心の場合は労働基準局などに相談をしましょう。
会社内で解決しきれない問題がある場合は、公的機関など具体的な解決策をアドバイスしてくれる場所もあります。
一人で解決しないで、専門家や理解を示してくれる周囲の人と一緒にストレスの原因をなくしていきましょう。
まとめ
この記事はいかがでしたか?
今回は、「ストレスの原因と発症する病気」について紹介しました。
ストレスは必ず原因があり、その原因と向き合う余裕を持ち解決することでストレスが少ない環境を整えることができます。
しかし、一度ストレス過多になった場合は、溜まったストレスを発散する方法を学びつつ、心身の異常を治してから原因解決に取り組むことが大切です。
できるかぎり早く異常に認識し、対処を行うことがストレスによる病気を予防する方法です。
ストレスと上手に付き合い、予防を心がけて健康な生活を送ることを目指しましょう。
この記事を読んで、少しでもストレスを解消するお役に立てたら幸いです。
【参考サイト一覧】
『こころの耳』厚生労働省