しっかりと睡眠をとっているのに疲れがとれないことありませんか?
疲労を回復するのに睡眠は欠かせないものです。
しかし、いくら睡眠をとっても翌朝まで疲れが残っていることがあります。
その場合、睡眠の質が悪いために疲れが残っているのが原因かもしれません。
この記事では、まず睡眠の質とメカニズムについて紹介していきます。
そのあと、睡眠の質を上げる10の方法をお伝えします。
睡眠の質を上げたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
質のいい睡眠とは
質のいい睡眠とは、主に次のような状態のことをいいます。
- 短時間の睡眠でも頭と体の疲労が回復している
- 寝つきがいい
- 朝目覚めたときスッキリとした気分になっている
疲労を回復するには、質のいい睡眠が必要不可欠です。
そして、上手に眠りにつくことが睡眠の質を左右します。
そのためには、睡眠のメカニズムを知ることが大切です。
睡眠が深いと疲労が回復する
疲れを解消するには、深い眠りにつくことが重要です。
深い眠りにつくことで、成長ホルモンが分泌されます。
成人になると成長ホルモンは、傷ついた細胞を修復し、筋肉を再生させる働きがあるのです。
睡眠のメカニズム
睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つが存在しています。
レム睡眠とは、体を休ませるための睡眠で、ノンレム睡眠は脳を休ませる睡眠です。
レム睡眠とノンレム睡眠は90分周期で交互に繰り返されて、心と体をしっかりと休ませる働きがあります。
ノンレム睡眠の特徴
深い眠りのノンレム睡眠は、就寝後3~4時間の間にもっとも多くあらわれます。
このとき、疲労回復に欠かせない成長ホルモンが一番多く分泌されるのです。
そのため、入眠から3時間は疲労回復のゴールデンタイムとなります。
レム睡眠の特徴
一方のレム睡眠は、睡眠中の後半に増えてきます。
レム睡眠中は、脳が目覚めている状態に近い浅い眠りとなっています。
そのため、夢を見たり金縛りにあったりすのも、レム睡眠中だといわれているのです。
レム睡眠は、体を休めている状態ではあるのですが、実は学習や記憶の強化と整理に強く関わっています。
覚えたことをしっかりと記憶にとどめておくにはレム睡眠は必要不可欠との報告もあるのです。
睡眠の質を上げる10の方法
質のいい睡眠をとるには、眠っている最中よりも入眠に入るまでの過程が重要となってきます。
スムーズに入眠することができれば、深い眠りに入りやすく疲労回復効果も向上させることができます。
ここでは、睡眠の質を上げる方法を紹介するので、まずはこの中からあなたが実践できるものから取り入れてみてください。
1.睡眠のリズムを一定にする
質のいい睡眠を得るには、「メラトニン」を多く分泌させることが大切です。
メラトニンとは、睡眠ホルモンとも呼ばれ一定量を超えると眠くなります。
このメラトニンは、朝起きて日の光を浴びてから14~15時間後に分泌されはじめます。
そのため、睡眠のリズムを一定にすることで、メラトニンの分泌される時間が一定となり、スムーズに眠ることができるのです。
なるべく、起きる時間と寝る時間を決めておくのが理想ですが、仕事で忙しい人は寝る時間を固定するのは難しいかと思います。
その場合は、せめて起きる時間を決めるようにしましょう。
起きる時間が一定であれば、メラトニンの分泌がきちんとされるようになります。
2.眠りにつく前は照明の明るさを暗くする
眠りにつく2時間前になったら、室内の明かりを薄暗くしましょう。
明るさの目安は、玄関の照明程度。
数値でいうと200ルクス以下の明るさとなります。
メラトニンは、夕方以降に少しずつ暗くなることで分泌量が増えていくのです。
そのため、寝る直前まで室内が明るいままだと、メラトニンの分泌量が抑えられてしまいます。
少しでも多くのメラトニンを分泌させるためにも、室内を照明を少しおとすよう調節しましょう。
3.眠りにつける環境を整える
スムーズに寝るためには、脳や体を入眠しやすい環境に整えることが大切です。
たとえば、本をゆっくり読んでみたり、クラシックやリラクゼーションなどの音楽を聴いて、脳や体をリラックスさせてあげましょう。
リラックスすることで、睡眠を促す副交感神経が優位に働き入眠しやすくなりまう。
4.アロマを使って心身をリラックスさせる
香りが好きな人は、アロマをたくことで心身をリラックスさせ、スムーズに眠りに入ることができます。
質のいい睡眠に導いてくれる香りが「ラベンダー」です。
ラベンダーは、古くから心身の浄化に使用されてきた香りです。
心が疲弊している時や、不安感があるときに、その緊張をほぐし和らげてくれます。
そのほかにも「カモミール」「サンダルウッド」「クラリセージ」「スイートオレンジ」の香りもリラックス効果が期待できます。
また、お風呂に数滴垂らしてアロマバスにして浸かるのもオススメです。
5.枕や布団を自分の体型にあったものにする
枕や布団、マットレスなど自分の寝ている姿勢に合っていないと、首や腰などに負担がかかり睡眠の妨げになります。
なるべく自分の寝ている姿勢に合った寝具に変更することで、体圧が分散されて負荷を軽減することができるのです。
その結果、深い眠りを実現することができます。
高い寝具がいいものとは限らないので、なるべく通販では購入せず、店舗で寝心地を試して寝心地がいいものを選択するようにしましょう。
6.就寝の3時間前には食事を済ませる
食事を済ませると、食欲が満たされて、気持ちもリラックス状態になります。
しかし、胃に食べ物が残っているうちに寝てしまうと睡眠の質が低下してしまいます。
胃の食べ物が残っていると睡眠中でも消化器官が活動してしまい、眠りが浅くなってしまうのです。
なるべく胃の中を空っぽにするために、就寝する3~4時間前までに夕食を済ませるようにしましょう。
7.スマホやテレビ視聴を控える
就寝前に、スマホやテレビを視聴していると画面から発生する「ブルーライト」によって、脳が興奮状態になってしまいます。
一度、活性化された脳を休息モードになるまでには2~3時間程度かかるといわれているのです。
なるべく、就寝2~3時間前にはスマホやテレビ、パソコンによる作業を控えるようにしましょう。
8.寝室の室温を調節する
個人差はありますが、人が熟睡できる温度があります。
夏場は25度前後、冬は18度前後、湿度が75%が最適といわれています。
気温が30度、湿度が80%を超えると睡眠の質が低下します。
また、布団の中は季節に関係なく33度が適切です。
エアコンや扇風機などを活用して、快適な室温に調節すると熟睡することができます。
9.深部体温を下げる
「深部体温」とは、体の中心部の体温のことで、深部体温が下がると眠りに入りやすくなります。
そのため、眠くなったとき手足にほてりを感じのは、深部体温が下がり睡眠の準備に入っているからです。
深部体温を下げる方法は、就寝1時間前に38度程度のぬるめのお風呂に入ること。
そうすることで、表面の血行が循環されて体の代謝が向上します。
その結果、お風呂上がりに熱が放出されて深部体温が下がってくるのです。
10.就寝前にストレッチをおこなう
深部体温を下げる方法として、ストレッチも有効です。
ハードなストレッチは脳を覚醒してしまうことがあるので、軽いストレッチ程度にしましょう。
たとえば、足の裏をもんだり、手足をぶらぶらさせるだけでも、深部体温を下げることができます。
ヨガもゆっくりとした動作のものは、心身を整える効果もあるためオススメです。
ストレッチは就寝2時間前に終わらせるようにしましょう。
最適な睡眠時間を見つけよう!
最適な睡眠時間は、年齢や個人差によって異なります。
睡眠学によると、ショートスリーパーと呼ばれる睡眠時間が5時間未満でも平気な人と、逆に10時間以上必要な人が合わせて数%存在しているそうです。
そして、残り約90%の人が6~9時間の睡眠が最適だと自覚しているといいます。
つまり、最適な睡眠時間を見つけるには6~9時間以内となるので、その時間内で試しなら最適な睡眠時間を見つけましょう。
自分にあった睡眠時間を見つけるコツ
ダイエット方法としてレコーディングダイエットがありますが、自分の睡眠を客観的にみる方法として「睡眠記録」をつけてみください。
睡眠記録は、専門の用紙や一般的なノート、アプリなど自分が管理しやすいものを活用します。
記録する項目は、「寝た時間」と「起きた時間」そして「睡眠時間」です。
さらに補足として、「眠気を感じた時間」、「居眠りをした時間」など睡眠に関する情報をできるだけ多く記録します。
2週間ほど睡眠記録を続けると、自分の睡眠時間、睡眠と覚醒のリズム、問題点などがわかるようになります。
その内容をもとに、質のいい睡眠をとるための解決策が見つけやすくなるのです。
時間に余裕がある人は、ぜひ試してみてください。
昼寝も疲労回復の効果あり
入眠から深い眠りにつく間がもっとも脳と体の疲労が回復することをお伝えしました。
入眠から疲労回復の働きが始まるので、短時間の昼寝でも疲れを緩和することができます。
昼寝の目安時間は15~20分程度がベストです。
それ以上寝てしまうと、深い眠りに近づいてしまうため目覚めるまで一苦労してしまいます。
もし短時間で起きれるか不安な人は、昼寝の直前にコーヒーを飲むといいでしょう。
コーヒーに含まれているカフェインは、摂取後15分程度でカフェイン濃度がもっとも高くなります。
この効果を利用することで、自然と目が覚めてきます。
まとめ
この記事はいかがでしたか?
今回は、「睡眠の質を上げる方法」について紹介しました。
ここで紹介した方法をまずは一通り実践して、あなたに合った方法があれば継続して実践してみてください。
睡眠に入るまでの習慣を身につけ、睡眠のリズムを整え始めると睡眠の質が上がってくるはずです。
この記事を読んで、少しでも睡眠の質を上げるための役に立てたら幸いです。
『「昨日の疲れ」がとれちゃう本』梶村尚史著、森和世著、石川泰弘著、岩﨑啓子著(日本文芸社)
『やすみかたの教科書』友野なお著(主婦の友社)