関節リウマチの検査内容と診断基準

関節リウマチの検査内容と診断基準

関節リウマチは早期に発見し治療することで進行を防ぐことができます。

少しでも関節リウマチかなと思ったら速やかに検査することが大切です。

今回は、関節リウマチの検査と診断基準についてご紹介します。

目次

関節リウマチを診てもらう病院の選び方

関節リウマチを診てもらう病院の選び方

関節リウマチは早期発見が難しく適切な治療を選択するのか難しいとされる病気です。

整形外科でも診断はしてくれますが、整形外科を選ぶときはなるべくリウマチ専門の病院と提携しているところが安心できます。

一番望ましいのは、やはりリウマチ科がある病院またはリウマチ専門の病院で検査をしてもらうのが一番です。

なぜなら、始めに説明したように早期であればあるほど関節リウマチだという診断をするのが難しく見逃してしまう恐れもあります。リウマチ専門の医師であれば、リウマチに対する知識や治療経験も豊富なの上、専用の診断機器なども充実しているので、専門医で検査や診断をしてもらうのがオススメです。

また、リウマチ専門医は、日本リウマチ学会から「リウマチ認定医」と認められている医師のことです。
リウマチ専門医のいる病院は「リウマチ情報センター」のサイトで調べることができるので是非利用しましょう。

関節リウマチの検査方法について

関節リウマチかどうかを判断するには、様々な検査方法のうち、その中から最適な検査を組み合わせて行うことが多いです。また、検査は必要に応じてその後も繰り返し行うこともあります。

関節リウマチの検査目的

出典:あゆみ製薬

どのような病気でも、ただ検査をして医師任せにするのではなく、検査結果をきちんと聞いて自分の症状がどのようなものなのか知っておく必要があるので、ボイスレコーダーなどに録音して、自宅できちんと検査データをまとめるといいでしょう。

万が一、関節リウマチだとした場合、経過が長期的におよぶので、なおさら知っておくことが重要となります。

関節リウマチと診断するには複数の検査を行って総合的に判断するのが一般的です。ここでは代表的な検査方法をご紹介します。

血液検査

人の体にある血液には、血液細胞やタンパク質といった物質が驚くほど多く含まれています。
それぞれの数値の動きは、体調の変化を敏感に反映するので、体の健康状態を示してくれる重要な検査です。

血沈の検査

体内で炎症が起きているサインがあるか調べる検査です。

静脈から採取した血液を試験管に移し、薬剤を混ぜることで赤血球を分離させて、赤血球が1時間に何㎜沈んだか調べる検査です。

正常値の場合は、男性で15㎜以下/1時間、女性で20㎜以下/1時間が正常の範囲となります。

しかし組織などに炎症が起きていると沈む速度が速くなるのです。関節リウマチの場合、中度であれば30~50㎜/1時間、重度になると80~100㎜以上/1時間となります。

血沈の検査

出典:あゆみ製薬

CRP(C反応タンパク)の検査

体内で、炎症や組織の破壊が起きたときに、24時間以内限定で血液中に現れる特殊なC反応タンパクの値を調べる検査です。

炎症が発生すると血沈よりも早く現れて炎症が治まると消えてしまいます。正常値は0.3mg/dL以下で、炎症が強い場合は10mg/dLを超えることがあります。

抗CCP抗体の検査

CCP(環状シトルリン化ぺプチド)と呼ばれるタンパクに対する抗体です。早期の関節リウマチでも血液中で見つかるので、早期診断に使われることもあります。

抗CCP抗体が見つかった場合は、関節リウマチの可能性が高いといわれています。ただし、関節リウマチに罹っていても血液中に見つからないこともあるそうです。

血小板数の検査

血液の細胞からつくられる血小板の数を調べる検査です。

正常値は、血液1μl(マイクロリットル)中13万個~35万個となっています。

どこか炎症を起していると血小板の数が増える仕組みになっています。

この血小板の数が極端に多い場合には、関節リウマチであることも想定できる目安となります。

リウマトイド因子の検査

リウマトイド因子は、自分自身の成分を異物と見なして免疫異常を引き起こす、本来はあってはならない因子です。

このリウマトイド因子を検査する方法はいくつもあり、受ける病院によって異なってきます。

リウマトイド因子の有無は、関節リウマチかどうかの判定に大きな影響を与えます。

しかし、デメリットもあり、関節リウマチに罹っている人でも約30%は陰性と出ることもあるので一概にこの検査だけで関節リウマチと断定することはありません。逆に関節リウマチでもないのに陽性とでる人もいるそうです。

尿検査

尿検査で調べる判るのは、腎臓が正常に働いているかどうかです。
関節リウマチが続いていると腎臓に影響を及ぼすと言われているので検査するところもあります。

尿タンパク検査

血液は体内を巡ったあと必ず腎臓を通ります。腎臓に集まった血液は糸球体という器官でろ過されるようになっているのです。

この糸球体を通過できるのは、一定の大きさ以下のものでタンパク質大きすぎるので通過できません。

なので健康な人の尿にはタンパク質がごく僅かしか含まれません。

しかし、関節リウマチが長く続いていたり、合併症やリウマチ治療中で服用している薬の副作用の影響でタンパク質の数値が大きくなります。このようなことも尿検査で判明することができます。

骨や関節の画像検査

骨や関節の画像検査

骨や関節の画像検査では、痛みがある部分によって検査機器を使い分けることがあります。

X線検査

X線検査では、骨や関節の画像データを取り、その画像から関節リウマチの進行度合いを検査します。

一昔前までのX線検査では、早期の関節リウマチによる細かい骨の変化がとらえにくいというデメリットがありました。しかし、特殊な高感度フィルムが誕生したことにより、骨や関節、関節内部や骨の周囲の組織まで鮮明にとらえることができます。

関節超音波検査

関節超音波検査は、関節エコー検査とも呼ばれ、関節リウマチの早期診断に使われることの多い検査方法です。
関節超音波検査であれば、滑膜の炎症そのものを見ることができるので早期発見に繋がります。

CT検査

CT検査は、主に首や太ももなどの病変に使われることが多いです。

MRI検査

MRI検査は、骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖度合いを調べるのに有効です。
また、骨が虫食いのように欠けたりする「骨びらん」なども早期に発見することも可能になっています。

関節リウマチの診断基準について

関節リウマチの診断基準について

関節リウマチの診断方法は、各検査結果の数値や症状を基に診断するようにしています。

とくに早期の関節リウマチの場合、関節の痛みや炎症だけでの判断では断定することが難しいのです。なぜなら、関節の痛みや炎症は風邪の症状や、貧血、リンパ節の腫れなどでも起きやすい症状なのです。

そこで関節リウマチを判断するのに利用されるのが米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULAR)の共同作成による分類基準を使用して判断をしています。

この基準は2009年に改定された新しい診断基準となり、以前の診断基準と比べて早期診断が可能になり、より早く治療できるようになりました。

米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULAR)の共同作成による分類基準

出典:佐野内科ハートクリニック

関節リウマチは初期段階ほど診断が難しい病気です。ですから、必ずリウマチ専門医で検査や治療をすることが大切なポイントとなります。

もし、整形外科などで診断してもらい治療を受けても改善しない場合は、セカンドオピニオンとしてリウマチ専門医で診てもらうようにしましょう。

まとめ

関節リウマチは発見と治療が早ければ早いほど、病気の進行が止めやすく関節リウマチの悪化を防いでくれます。

特に30代~50代の人で、関節の炎症や腫れが出た場合は、酷くなる前にすぐに専門医で診察をしてもらうようにしましょう。

この記事を読んで、少しでもリウマチの検査内容や診断に関しての知識がお役に立てたら幸いです。

あわせて読みたい
20代でも発症するリウマチの原因とは?なりやすい人や症状も解説 関節リウマチの患者数は日本国内で推定70万程度いると言われ、発病ピークが30歳~50歳と比較的若い年齢層で罹ります。 関節リウマチは一度発病してしまうと完治が難しい...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

自身の体調不良をきっかけに、健康の大切さを知り、健康管理の分野を学ぶ。より深い知識を身につけるため、健康管理能力検定3級・2級資格を取得し健康管理アドバイザーになる。少しでも健康に興味を持ってもらえるよう、分かりやすく役に立てる情報を発信するよう努めてまいります。

目次