老眼の治療法や矯正方法で回復させる6つの最新技術

老眼の治療法や矯正方法で回復させる6つの最新技術

老眼になるといつも生活が不便に感じて困ることが多いかと思います。

老眼の症状を解消するために、矯正や治療を検討している人がいるのではないでしょうか。

まずは、どのような治療法や矯正方法があるのか、受ける前に詳しく知ることで、より自分にあった方法が見つけやすくなります。

この記事では、老眼の矯正法や治療方法について紹介していきます。
そのあと、それぞれの費用相場についてもお伝えします。

老眼の治療法などでお悩みの人は、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

老眼の治療法や矯正方法は最新技術によって増えている

ここ最近では、老眼に対する治療法や矯正方法などの技術が進化しているおかけで、さまざまな治療や矯正を選ぶことができるようになっています。

軽い老眼であれば、なるべく目のトレーニングや目にいい栄養素を摂ってセルフケアしながら老眼の進行を抑えたり、改善するのがベストです。

しかし、すでに老眼がかなり進行してしまい、私生活や仕事で支障をきたしてしまう人は、治療や矯正で老眼対策をするのもひとつの方法といえます。

老眼の治療法や矯正方法など、さまざまな選択肢が増えているので、それぞれの特徴をきちんと把握した上で、あなたに合った老眼対策を検討するようにしましょう。

1.老眼鏡で矯正する

老眼鏡で矯正するときは、まず老眼鏡を使用する目的を考えることが大切です。
たとえば、「手元の文字を読みやすくしたい」、「近くも遠くも両方見やすくしたい」、「近視用と老眼用の両方を兼ね備えたい」など、きちんと用途を考えないと、老眼鏡を使用してもしっくりこないことがあります。

最近では、ホームセンターなどでも老眼鏡が売られていますが、度数が合わないことで余計に目の疲労を蓄積させてしまうことがあるので、かならず眼科で検眼して専門店で老眼鏡を作るのが一番です。

老眼鏡の種類

老眼鏡には大きくわけて4つの種類があります。

それぞれのメリットとデメリットがあるので、用途や目的に合ったものを選ぶようにしましょう。

単焦点レンズ

単焦点レンズは、手元の文字を見るときを目的とした老眼鏡です。

【メリット】

  • 近くのものや文字を見るのに適しています。

【デメリット】

  • 遠くを見るとぼやけてしまうので、その場合は老眼鏡を外す必要があります。

2焦点レンズ

2焦点レンズ、遠近の2つのピントが合う老眼鏡です。

【メリット】

  • ひとつのレンズだけで、近くのものと遠くのものも見える

【デメリット】

  • レンズの上下に境界線があり、中央の境目は見えずらい。

3焦点レンズ

3焦点レンズは、遠近中の3つのピントが合う老眼鏡です。

【メリット】

  • ひとつのレンズで、遠近中の3つの度数を使い分けることができる。

【デメリット】

  • 3つの度数があるため、それぞれの境界線でものがゆがんで見えてしまう。
  • また、見え方に慣れるまで時間を要する。

累進多焦点レンズ

累進多焦点レンズ、遠近中の3つのピントを境目なく見ることができる老眼鏡です。

【メリット】

  • ひとつのレンズで、遠近中の3つの度数を使い分けることができる。
  • 度数の境目がなく、徐々に焦点が切り替わるため境目による見づらさがない。

【デメリット】

  • はっきりと焦点があう面積が小さい。

2.老眼用コンタクトレンズで矯正する

メガネを掛けるのがわずらわしいと感じる人は、遠近両用のコンタクトレンズで矯正することが可能です。

コンタクトレンズには、ハードタイプとソフトタイプがあるので、装着感や扱い方などそれぞれ異なります。
そのため、はじめてコンタクトレンズを装着する場合は、一度ショップで装着テストをするといいでしょう。

遠近両方コンタクトレンズは、レンズの中に遠近の焦点が組み込まれています。

老眼鏡と同様に、慣れるまで時間を要する場合もあります。

コンタクトレンズの種類

ハードコンタクトレンズ

【メリット】

  • レンズの酸素透過率がとても高いので、角膜への負担が少なく、連続で装着することができます。
  • また、目に異常があった場合もすぐに気づきやすいメリットがあります。

【デメリット】

  • 風邪やほこりの弱く、激しい運動などで外れることがある。

ソフトコンタクトレンズ

【メリット】

  • ハードタイプと比較してレンズがズレにくいため、激しい運動やスポーツをする人にも向いている。
  • また、装着感もよく、使い捨てタイプなどもあり洗浄する手間がかからない。

【デメリット】

  • ハードタイプと比較すると酸素透過率が低い。
  • また、汚れが付着しやすいデメリットもある。
    ※最近では新技術によって酸素透過率が高いタイプも増えてきている

遠近両用コンタクトレンズ

【メリット】

  • 老眼鏡よりも視野が広がる。

【デメリット】

  • 慣れるまで時間を要する。
  • また、安易につけはずしができない。

3.老眼レーシックで治療する

レーシックは近視を矯正手術することで有名ですが、老眼レーシック手術も可能になりました。

レーシックとは、レーザーで角膜を薄く切り、角膜のカーブを変えて屈折異常を矯正する外科手術です。

老眼レーシックには2種類あり、「モノビジョンレーシック」と「遠視レーシック」にわけられます。

モノビジョンレーシック

モノビジョンレーシックとは、左右の目の度数を変えて両目で見たときに遠近ともに見えるようにする方法です。

具体的には、片方の目を正規に合わせ、もう片方の目を近視に合わせます。
そうすることで、両目で見たときに、脳が上手く視覚情報を処理することで、近くも遠くも見られるのになるのです。

手術直後は人によって、白くぼやけた感じや、異物感に違和感など感じることもありますが、一晩経つとほとんどの症状は軽減されます。
視力が安定するまで約3~4週間程度かかります。

初めてモノビジョンレーシックを受けるとき、見え方に不安があるかと思います。

そのため、病院によっては術後の見え方をシミュレーションできるところもあるので、そのような病院で一度体験してから判断するといいでしょう。

モノビジョンレーシック

出典:冨田実アイクリニック銀座

【メリット】

  • 老眼鏡が不要になる
  • 左右で度数を変えているので、術後は遠近ともに見えやすくなる

【デメリット】

  • 左右の視力に差がでるため、立体感が低下することがある
  • 見え方に慣れるまで、1~3ヶ月程度かかることもある

遠視レーシック

遠視レーシックとは、遠視や正規の人の目を、近視に近い度数になるよう凸状にする方法です。

凸状にすることで、中近距離を見えやすくなるのです。

術後は今までと見え方が変わるので少し違和感を感じることがあります。
この違和感は、しばらく経つと慣れてくるようになります。

遠視レーシック

出典:冨田実アイクリニック銀座

【メリット】

  • 中距離~近距離が見えやすくなる
  • 遠視による目の疲れが軽減できる

【デメリット】

  • 遠距離が少し見えづらくなる
  • 細かい文字を読むときに、老眼鏡が必要になる場合もある

4.アキュフォーカスリングで老眼治療する

アキュフォーカスリングとは、別名「老眼矯正リング」ともいわれ、ピンホール効果を応用した治療方法です。

ピンホール効果は、小さな穴があいた薄いディスク状のリングから、目に入る光量を細く調整することでピントを合わせて、近くのものが見える仕組みとなっています。

たとえば、穴の開いた図書カードやクオカードなど、穴の覗くとピントが合わなかった文字にピントが合いますよね。
これと同じ原理を利用しているのです。

アキュフォーカスリング

出典:冨田実アイクリニック銀座

アキュフォーカスリングは、コンタクトレンズよりも小さいもので、利き目でない片目にリングを挿入します。

手術時間も短く、異物感もありません。
また効果も半永久的ではありますが、見え方に慣れるまで1~3ヶ月要することがあります。

【メリット】

  • 遠視と近視が軽い人に向いている
  • 老眼鏡なしで近くのものが見える(遠くの見え方は変化がありません)

【デメリット】

  • リングを挿入した片目だけで見ると少し暗く感じる
    (両目で見れば明るさに差はありません)
  • 眼底検査で不都合が出るケースもある
  • 見え方に慣れるまで1~3ヶ月要することがある

5.CK(伝導性角膜形成)で老眼治療する

CK(伝導性角膜形成)とは、高周波エネルギーを使って遠視を治療する方法です。

CKの治療方法は、角膜の周辺部を8~16カ所程度高周波エネルギーを円形に照射します。
高周波エネルギーを浴びた角膜にあるコラーゲンが、収縮することで角膜のカーブを作り出すのです。

その結果、近距離が見えやすくなります。

CK(伝導性角膜形成)

出典:坂西眼科医院

手術後の痛みはなく、翌日から普段通りの生活をすることができます。
また、角膜を切ったり、黒目にも触れないので安全性も高いといえます。

しかし、効果が1~数年程度で元に戻るので、その都度CK治療を受ける必要があります。

【メリット】

  • 遠視の矯正ができ、手元の文字が見えるようになる

【デメリット】

  • 基本的に片目のみの治療となるため、両目で見たときの効果が低下する
  • 人によっては、光のギラつきや、にじみが出ることもある

6.マルチフォーカルIOLで老眼治療する

マルチフォーカルIOLとは、加齢とともに硬く濁った水晶体を取り除き、代替となる眼内レンズを挿入する治療方法です。

挿入するレンズは、遠近両用となっているため、遠近中距離にピントが合うよう設計されています。

マルチフォーカルIOL

出典:南青山アイクリニック

手術後の痛みもほとんどありませんが、手術直後は人によって異物感や違和感を生じることがあるそうです。
ただし、その違和感なども数日で緩和するので安心していいでしょう。

マルチフォーカルIOLを受けてから視力が安定するまで2~3週間程度かかります。
また、人によっては慣れるまで1~3ヶ月要することもあります。

【メリット】

  • 遠近ともにある程度、老眼鏡なしで見えるようになる
  • 乱視矯正レンズを使用すると、乱視の矯正も可能となる

【デメリット】

  • 細かい文字を読むときは老眼が必要になることもある
  • 薄暗い場所だと、文字が見づらいこともある

7.オサート®で老眼治療する

オサート®とは、オルソケラトロジーの技術を進化させた治療法です。

オルソケラトロジーは、「角膜矯正療法」といい、手術をせずにコンタクトレンズで角膜を矯正することで、角膜自体に老眼と同じ役割を持たせる技術です。

一人一人の角膜形状に合わせてデザインされたコンタクトレンズを、夜間装着することで角膜の形を矯正し、朝起きて外すと裸眼でも視力が維持できる仕組みになっています。

オルソケラトロジーは軽度の近視しか対応できないのですが、オサート®は強度近視、強度乱視、遠視、老眼にまで対応することが可能です。

オサート®を受けられるのは、「三井メディカルクリニック」のみとなっています。

【メリット】

  • 老眼でも矯正することができる
  • 角膜を切るなどの手術が不要

【デメリット】

  • 治療中は通院が必要
  • 1年半~2年でコンタクトレンズを買い変える必要がある
  • 定期検査を受ける必要がある

老眼の治療や矯正にかかる費用

老眼の矯正や治療で気になる費用をまとめてみました。

ここに記載されている費用は相場となっています。
老眼矯正や治療を受けるときは、かならず病院で費用とサポート内容など確認するようにしましょう。

矯正・治療内容 費用
老眼鏡(専門店) 約5,000円~
遠近両用コンタクトレンズ 約2,500円~(使い捨てタイプを含む)
モノビジョンレーシック 約370,000円~
老眼レーシック 約300,000円~
アキュフォーカスリング 約280,000円~(片目)
CK(伝導性角膜形成) 約120,000円~(片目)
マルチフォーカルIOL 約460,000円~(両目)
オサート®(両目) 初回治療:約420,000円
リニューアル(買い換え):約120,000円

老眼の最新治療はすべての人が受けられるものではない

老眼の治療に関する技術をあげましたが、どの手術でも合う人と合わない人がいます。

また次の条件に当てはまる人は、原則的にどの手術も不適合とされるケースが多いです。

老眼手術治療が受けられない条件

  • 目の病気がある人(角膜疾患、網膜疾患など)
  • 角膜が薄い人
  • 角膜内皮細胞の数が少ない人
  • 体に重い疾患がある人(糖尿病、膠原病、免疫不全など)
  • 向精神薬や、抗不整脈薬を長期間服用している人
  • 妊娠中の人
  • 授乳中の人

この他にも、目の状態によって手術治療を受けられないケースがあります。
そのため、手術前にしっかりと目の検査を行う必要があるのです。

老眼治療を受けるときは、専門医の説明をしっかりと聞いて、自分がしっかりと理解した上で、どの治療を受けるか判断することが大切です。

まとめ

この記事はいかがでしたか?
今回は、「老眼の治療法や矯正方法」について紹介しました。

どの治療法も一長一短でありますが、あなたが一番解消したい目的を明確にすることで、ある程度絞ることができます。
また、手術治療を行うときは必ず適正検査や眼科医とよく相談した上で、判断するようにしましょう。

この記事を読んで、少しでも老眼の治療法や矯正方法のお役に立てたら幸いです。

【参考文献一覧】
図解 老眼をぐんぐん若返らせる! 眼トレ&回復法のすべて』日比野佐和子監修、林田康隆監修 (日東書院本社)
9割の老眼は自分で治せる』日比野佐和子著(中経出版)

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この記事を書いた人

自身の体調不良をきっかけに、健康の大切さを知り、健康管理の分野を学ぶ。より深い知識を身につけるため、健康管理能力検定3級・2級資格を取得し健康管理アドバイザーになる。少しでも健康に興味を持ってもらえるよう、分かりやすく役に立てる情報を発信するよう努めてまいります。

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