老眼を改善するために、なるべく老眼鏡などに頼らずに老眼の症状を緩和させたいですよね?
老眼の改善といっても最近ではさまざまなセルフケア術が紹介されています。
この記事では、まず正しい老眼改善のセルフケアについての心構えについて紹介していきます。
そのあと、老眼の症状を改善させるためのセルフケア術についてお伝えしていきます。
老眼症状でお悩みの人は、ぜひ参考にしてくださいね。
老眼もアンチエイジング感覚でケアする
老眼は、加齢によって引き起こされる老化現象のひとつとなります。
そのため、加齢にともなう目や体の老化は完全になくすことができません。
しかし、アンチエイジングの考えを取り入れて正しくケアをすることで、目の老化スピードを抑えることができ、老眼を自分の力で改善していくことが可能です。
まずは、自分でできるセルフケア術を生活に取り入れていくところから始めていきましょう。
1.老眼トレーニングで目の筋肉を鍛える
運動を続けることで、体が健康的になり若々しい状態を作ることができます。
目も日々のトレーニングによって鍛えることが可能です。
目やそのまわりには「外眼筋」と「内眼筋」の2種類の筋肉があります。
さらに、内眼筋には「虹彩筋」と「毛様体筋」の2種類があります。
老眼の症状であるピントの調節機能は、毛様体筋の衰えが原因のひとつです。
そのため、目のトレーニングで筋肉を鍛えることで、目のまわりの血流や代謝がよくなり、老眼による手元の見づらさを改善する効果を得ることができます。
遠近トレーニング
遠近トレーニングは、内眼筋と毛様体筋を鍛えて、目のピント調節力を改善させるトレーニングです。
そのほかにも、水晶体のストレッチ効果もあるため、目の疲れ解消にも効果があります。
- 片手をまっすぐ伸ばし、親指を立てる
- 立てた親指の爪を1秒間凝視する
- 次に視線を3~5m先にある対象物を決めて1秒間凝視する
- 2と3を30回程度繰り返す。
グー・パートレーニング
グー・パートレーニングは、毛様体筋と眼輪筋を鍛えて毛様体筋をほぐすトレーニングです。
グー・パートレーニングは老眼のほかに、目の下のクマや目の下にあるたるみを解消することで、老け顔の解消にもつながります。
- 2秒間、目を思い切りギュッとつぶる
- 目を思い切りパッと開いて2秒間キープする
- 1と2を3~5回繰り返す
動体視力トレーニング
動体視力トレーニングは、内眼筋と毛様体筋を鍛えて動体視力の低下を改善するトレーニングです。
動体視力は、目を素早く動かして、動いている物を捉えて焦点を合わせる働きがあります。
この動体視力は、加齢とともに低下してしまうのです。
人混みなどで人にぶつかりやすくなったりする原因も、動体視力の低下によるものです。
動体視力には、横方向の動きと前後の動きを捉える2種類の動きがあります。
どちらも均等に鍛えて動体視力の低下を防ぎましょう。
- 利き腕の親指を立て左右にふって、親指の指先を目だけで追いかける
- はじめはゆっくりと動かし、徐々にスピードを早める
- この動作を10回程度繰り返す
- 利き腕の親指を立て前後にふって、親指の指先を目だけで追いかける
- はじめはゆっくりと動かし、徐々にスピードを早める
- この動作を10回程度繰り返す
通勤中にできるトレーニング
電車やバスを利用して、通勤している人は移動時間を活用することでトレーニング時間を確保することができます。
とくに遠近トレーニングや動体視力トレーニングは人の目を気にせず行うことが可能です。
たとえば、動体視力トレーニングの場合、通過する駅の看板を目で追うことで鍛えることができます。
また、遠近トレーニングの場合は、車内広告を見たあと、外の景色の建物を見る動作を繰り返すことで鍛えられます。
このように、わざわざ目のトレーニングの時間を確保しなくても、工夫次第で移動中や隙間時間に行えるので、自分なりに試行錯誤してみてください。
2.眼精疲労を解消して老眼を改善させる
現代社会において、目への負担は思った以上にかかっています。
- 老眼で近くの文字が見えず、無理してピントを合わせて読む
- 仕事中は、パソコンと資料チェックの嵐
- 移動中はスマホやタブレットでゲームやSNS、メールチェック
- 就寝前までスマホでSNS
このような生活を続けていると、ブルーライトによる悪影響や眼精疲労がたまり、老眼だけでなくさまざまな症状を引き起こす原因にもなるのです。
日頃から目の負担を気にかけて、目が疲れてきたら自分でケアしていくことが、眼精疲労や老眼などの進行を予防することが大切です。
毛様体筋をゆるめて眼精疲労を解消
毛様体筋をゆるめる方法のひとつが「遠くを見る」ことです。
遠くを見ることで、毛様体筋の緊張状態がゆるみます。
だいたい2~3mくらい離れた対象物を眺めるだけでも眼精疲労が軽減します。
もうひとつの方法として、目を温めてあげることも効果的です。
ホットタオルやホットアイマスクを目にあてて休ませてあげましょう。
長時間パソコンを使用したあとや、就寝前にやると目の疲れが残りにくく睡眠の質も高まるのでオススメです。
目の充血や目の奥に鈍痛を感じたら冷えタオルをあてる
目が充血しているときや、目の奥が重く鈍痛を感じたときは冷えタオルをあてると症状が緩和されます。
目のむくみや、目の炎症も冷えタオルを使用しましょう。
冷えタオルは、水で濡らして冷蔵庫で冷やして使います。
急な時は氷水を用意して、しばらく浸けたあと使いましょう。
また、保冷剤をハンカチなどで包んであてる方法もあります。
目が疲れにくい環境をつくる
目が疲れたあとにセルフケアすることも大切ですが、なるべく眼精疲労を起こさないための環境を作ってあげるのも重要です。
- パソコンやスマホの連続使用時間を4時間以内と決める
- こまめに目の休息時間をもうける
- モニターの明るさやコントラストを調整する
- モニターに室内外の照明や光が映り込まないよう配置する
- 冷暖房による目の乾燥を避ける
ここであげた対策をするだけでも、目の疲れを軽減することができるのでぜひ取り組んでみてください。
3.目に効くヨガで老眼を改善させる
全身のインナーマッスルを鍛えるヨガにも、目に効果的なポーズがあります。
室内で簡単にできるヨガは、運動が苦手な人でも簡単に取り入れることが可能です。
一番簡単にできるヨガが「パーミング」と呼ばれるものです。
パーミングをやることで、疲れた目をリラックスした状態にしてくれるので、老眼による目の疲れがあらわれたときに取り入れるといいでしょう。
- 左右の手を合わせて手のひらを温める
- 手のひらをお椀のような形にして、手のひらの中心が目の上に重なるよう両目を覆う
- ゆっくりと鼻から空気を吸って、口から吐き出す
- 3の深呼吸を10回繰り返す
4.酸化と糖化を防いで目の老化現象を抑える
老化を引き起こす主な原因は、「酸化」と「糖化」だといわれています。
酸化とは、過剰に発生した活性酸素が有害物質へと変化して体内の老化を促進させてしまいます。
糖化は、食事から過剰に摂取した糖分が体内の古いタンパク質と合成して老化物質へと変化するのです。
この2つの原因と加齢によって老化が促進されてしまうのです。
加齢を止めることは不可能ですが、酸化と糖化は防ぐことが可能なので、積極的に対策するようにしましょう。
酸化と糖化を防ぐ方法
酸化と糖化を防ぐには、
- 健康的な食生活
- 有酸素運動
- 十分な睡眠
以上の3つを重点に置いてケアすることで、酸化と糖化を呼ぼうすることができます。
とくに、血糖値を急激に上昇させてしまうと老化が加速するとの研究報告があります。
簡単にできる食生活の改善は、「早食い」を止めることです。
早食いをすることで、食事の消化や吸収が早まるため、血糖値が急激に上昇してしまいます。
血糖値を急激に上昇させないためにも、食事はゆっくりと食べることを心がけましょう。
5.老眼の改善に効果的な食べ物で栄養素を摂る
酸化や糖化などによる目の老化を防ぐには、目にいい栄養素を摂ることも大切です。
目にいい栄養素が豊富に含まれている食べ物を積極的に食べて老眼の改善や予防につなげましょう。
目の老化を防ぐビタミンA・ビタミンC・ビタミンE
「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」には、目の老化を防ぐ効果があります。
これらのビタミンには、抗酸化作用が強く、体内の酸化を抑える効果が期待できるのです。
ビタミンA
ビタミンAには、目の明るさを維持する機能をサポートし、皮膚や粘膜を正常にする働きがあります。
そのため、角膜や網膜の健康を維持してくれるのです。
- レバー
- 小松菜
- 人参
- トマト
- シソ
- モロヘイヤ など
ビタミンC
ビタミンCには、水晶体の透明度を維持するほか、体全体の老化現象を予防してくれます。
- ブロッコリー
- カリフラワー
- 赤ピーマン
- ゴーヤ など
ビタミンE
ビタミンEには、血行をよくする役割があります。
その結果、疲れ目の解消や細胞の老化を予防する働きがあるのです。
- アーモンド
- 落花生
- 黒ごま
- アボカド
- 鮭
- うなぎ など
ビタミンAとビタミンEの摂りすぎに注意する
ビタミンAとビタミンEは、脂溶性ビタミンのため、過剰に摂取すると肝臓や脂肪に蓄積されやすくなるので注意しましょう。
一方、ビタミンCは水溶性ビタミンのため、過剰に摂取しても尿と一緒に排出されます。
目の疲労回復や健康を維持するビタミンB群
「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ビタミンB6」「ビタミンB12」には、目の疲労回復や目の健康を維持する効果があります。
ビタミンB群は水溶性ビタミンなので、摂りすぎに注意する必要がありません。
逆に不足しやすいので、毎日しっかりと摂るようにしましょう。
ビタミンB1
ビタミンB1には、目の疲労回復に効果があります。
また、疲れにくい目を作る働きもあるのです。
- 豚肉
- 卵
- 大豆 など
ビタミンB2
ビタミンB2には、皮膚や粘膜を作る働きがあります。
また、角膜や網膜を維持したり、目の充血を解消してくれます。
- 納豆
- しいたけ
- 小麦 など
ビタミンB6
ビタミンB6には、毛様体筋と水晶体の主成分であるタンパク質の代謝を促進する働きがあります。
そのため、老眼の改善には欠かせない栄養素なのです。
- レバー
- マグロ
- バナナ など
ビタミンB12
ビタミンB12には、血流をよくする働きがあります。
そのほかに、視力の低下を防ぐ効果もあるのです。
- 牛乳
- チーズ
- うなぎ など
目に直接作用するアスタキサンチン
「アスタキサンチン」は、目と脳に直接作用する希少な抗酸化物質です。
もともと、目には「血液網膜関門」と呼ばれるフィルターのような仕組みが備わっています。
この血液網膜関門はビタミンCやビタミンEなど通過できないのですが、アスタキサンチンは通り抜けることができるため、目に直接栄養素成分を届けることが可能なのです。
アスタキサンチンは、ビタミンEの約550~1000倍もの抗酸化力があります。
また、動脈硬化や高血圧の改善、シミやシミ予防なのどアンチエイジング効果が優れた栄養素なのです。
目に対する効果として、ピント調節機能の回復や白内障予防など、老眼防止効果が期待できます。
- 鮭
- いくら
- カニ
- タコ など
水晶体の濁りを防ぐタウリン
「タウリン」は、目の中にある水晶体の濁りを予防してくれます。
その結果、「白内障」の進行予防に対しても効果を発揮します。
さらに、加齢によって引き起こる「加齢黄斑変性」の予防や、網膜の障害を改善する働きもあるのです。
目の奥にある網膜は、タウリンを多く含んでいるため、タウリンを積極的に摂ることで網膜機能の維持につながります。
- タコ
- イカ
- エビ
- シジミ
- あさり など
ピント調節機能を回復させるレスベラトロール
「レスベラトロール」は、長寿遺伝子に働きかけて老化抑制の効果が期待できます。
さらに、高い抗酸化作用があり、アントシアニンと同じ目のピント調節機能を回復させる作用があります。
- ブドウ(皮の部分)
- 赤ワイン など
視覚機能を改善するルチンとケルセチン
「ルチン」と「ケルセチン」は、毛細血管を強くして、活性酸素を取り除く働きがあります。
また、視覚機能の改善にも効果があるのです。
ルチンには、加齢黄斑変性の症状改善に効果が期待されています。
ケルセチンには、紫外線から目を守る作用があります。
- そば
- いちじく
- ナス
- ほうれん草
- アスパラ
- ケール など
- 玉ねぎ
- にんにく
- そば
- リンゴ
- キャベツ など
眼精疲労やドライアイを防ぐオメガ3脂肪酸
「オメガ3脂肪酸」は、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(エイコサペンタエン酸)」そして「ALA(αリノレン酸)」があります。
DHAとEPAには、眼精疲労や充血、ドライアイの改善に効果があります。
またALAには、体内でDHAやEPAに変化する特性があるのです。
- トロ
- ブリ
- サンマ
- イワシ など
- 亜麻仁油
- えごま油 など
網膜機能の再生を助けるアントシアニン
「アントシアニン」は、網膜の光を受ける機能の再生をサポートする働きがあります。
また、屈折や調節機能、明るさの調節も助けてくれるのです。
とくにビルベリーに含まれるアントシアニンは15種類も含まれていますが、日本では手に入りにくいため、今のところサプリメントなどで摂取します。
- ブルーベリー
- カシス
- ブドウ
- 赤じそ
- 黒豆
- 黒ごま など
6.ブルーライトをカットして目のダメージを軽減させる
ブルーライトとは、人の目に見える光の中で、もっとも波長が短く強いエネルギーをもった青色の光のことです。
ブルーライトの光は、パソコンやスマホなどのLEDディスプレイやLED照明に多く含まれています。
そのエネルギーの強さは紫外線の次に強く、眼精疲労や目の痛みなど大きなダメージを与えてしまうので注意が必要です。

ブルーライトの放出量
出典:ブルーライト研究会
ブルーライトを浴びすぎると
- 老眼の進行
- 眼精疲労
- 網膜へのダメージ
- 睡眠障害
など、引き起こす可能性があるため、なるべくブルーライトを浴びないようにする必要性があります。
ブルーライトから目を守る方法
ブルーライトから目を守る方法は、ブルーライト防止のアイテムや設定を行うことです。
スマホやパソコンモニターの設定を調整する
最近のスマホやパソコンのモニターには、ブルーライトを軽減する設定が備わっています。
ブルーライト軽減機能をオンにすると、ブルーライトを浴びる量が軽減できるので、機能が付いていたらオンにしておきましょう。
ブルーライト防止フィルムを貼る
スマホやパソコンモニター、タブレットなど画面にブルーライト防止フィルムを貼ると軽減することができます。
ブルーライトフィルムは家電量販店や通販などで、さまざまな機器に対応したものが売られているので、自分が所有している機器に貼るのも効果的です。
また、液晶テレビなどもブルーライト防止パネルが売られているので、テレビを見る時間が多い人は設置するといいでしょう。
PCメガネでブルーライトを防止する
仕事場などで、フィルムなどが貼れない場合は、ブルーライトを防止する「PCメガネ」をかけると軽減することができます。
PCメガネは度つきのものや、どの程度ブルーライトを防止するか表記されているので、自分のスタイルに合わせて選ぶといいでしょう。
7.紫外線対策をして目のダメージを軽減させる
肌への紫外線ダメージとUVケアをするのと同様に、目も紫外線対策をすることが大切です。
皮膚が老化する原因にひとつに紫外線があげられます。
老化の原因の80%が紫外線によるダメージによるものという報告もされているほどです。
目も皮膚と同じく紫外線を浴びやすく、しっかりと対策をしないとダメージを受けてしまいます。
目に紫外線を浴びすぎると、水晶体が白濁する「白内障」を引き起こすといわれています。
外出するときはUVカットのサングラスやUV機能付きメガネをかけるようにしましょう。
コンタクトレンズは黒目の部分に付けているため、サングラスを併用すると効果的です。
8.老眼に効くサプリメントを活用して進行を防ぐ
栄養素はなるべく新鮮な野菜や魚介から摂るのがベストですが、どうしても目の栄養素を毎日摂取することが難しい場合には、サプリメントで補うようにしましょう。
目にいいサプリメントとは、「アントシアニン」「イチョウ葉」「アスタキサンチン」「ルチン」「メグスリノキ」など、目にいい食べ物などでお伝えした栄養素成分が含まれたサプリメントがオススメです。
メグスリノキは、昔から飲む目薬として民間薬で使用された成分で、眼病予防や肝臓機能を高める効果があります。
最近では、目にいい栄養素成分がミックスされたサプリメントも出ているのでそちらもオススメです。
自分に合ったサプリメントを見つける方法として、まずは3ヶ月を目安にして継続しましょう。
サプリメントは薬と違い、栄養補助食品なので効果を実感するには3ヶ月間程度続けないと判断しにくいのです。
3ヶ月間続けても思ったほど効果がなければ、他メーカーのサプリメントに切り替えるなど別の対策方法を検討するといいでしょう。
まとめ
この記事はいかがでしたか?
今回は、「老眼の改善方法」について紹介しました。
老眼の症状は、きちんとセルフケアしてあげることで進行を遅らせることができます。
また、日頃から目をいたわりときどき休息を入れてあげることも大切です。
目のセルフケアで老眼の症状を緩和して、見づらい生活から解放して楽しい日常を送れる生活を手に入れましょう。
この記事を読んで、少しでも老眼の改善にお役に立てたら幸いです。
【参考文献一覧】
『図解 老眼をぐんぐん若返らせる! 眼トレ&回復法のすべて』日比野佐和子監修、林田康隆監修 (日東書院本社)
この記事を読んだ方は他にこんな記事を読んでいます