新陳代謝を活性化させるには、代謝を上げることが重要です。
また、
- ダイエットをしても痩せない
- 生活習慣が変わってないのに太った
- 疲れが抜けなくなった
このような悩みを抱えていませんか?
じつはこれらの不調は、「代謝」が弱まって起きているのです。
この記事では、代謝を上げる方法について紹介していきます。
代謝のメカニズム
代謝には2つの働きがあります。
それが
- 身体をつくる代謝の働き
- エネルギーをつくり消費する代謝の働き
です。
身体をつくる代謝の働き
人は約60兆個もの細胞でつくられており、毎日の食事で摂取した栄養素をもとに、あらゆる細胞組織を代謝によって作り出しているのです。
また、身体の細胞は老化すると分解されて、新しい細胞のものに常に置き換えられています。
たとえば、胃や腸などの細胞は5日、骨も90日ですべての細胞が新しくなっているのです。
このように細胞を新しいものへと置き換えることで、わたしたちは生きることができ、このような働きを「新陳代謝」といいます。
つまり、身体の細胞は約3ヶ月サイクルですべて生まれ変わっているのです。
エネルギーをつくり消費する代謝の働き
代謝のもうひとつの働きがエネルギー代謝です。
身体の主なエネルギー源は、「アデノシン三リン酸(ATP)」と呼ばれる物質となります。
このアデノシン三リン酸が分解されるときに生じるエネルギーが、全身の臓器や骨格などの筋肉を動かすのです。
また、アデノシン三リン酸を作り出す材料は、体内に酸素が多くある場合、おもに「脂肪酸」が使われます。
そして、激しい運動など酸素の供給が間に合わない場合、「ブドウ糖」が材料になります。
1.食材で代謝を上げる
健康的に代謝を上げるには、「タンパク質」や「ビタミンB」などが含まれる食材を選ぶことが重要です。
食べるだけで代謝が上がるので、誰でも簡単にできる上、健康的な生活が取り戻せるのでオススメです。
タンパク質で代謝をアップ
タンパク質は基礎代謝の大半を占める筋肉の材料となります。
とくにタンパク質が豊富に含まれているのが肉や卵などです。
- 牛肉(赤身)
- 豚肉
- 鶏肉
- レバー
- 魚
- 卵
- チーズ など
ビタミンB群で代謝をアップ
ビタミンB群には、体内に取り込まれた栄養素の分解をサポートする代謝ビタミンとなります。
- カツオ
- サンマ
- イワシ
- アジ
- 納豆 など
身体を温める野菜で代謝をアップ
タマネギなどに含まれている「硫化アリル」には、身体を温める働きがあります。
体温を高めることで基礎代謝を上げることができるのです。
- タマネギ
- ネギ
- ニラ
- らっきょう
- ニンニク など
2.スパイスで代謝を上げる
メインの食材以外にも、料理のアクセントとして使用されるスパイスにも代謝を上げる働きがあります。
毎日の料理や味付けに生かすことで、手軽に基礎代謝を向上させることが可能です。
唐辛子の辛み成分で代謝をアップ
唐辛子の辛み成分を「カプサイシン」といいます。
このカプサイシンには、エネルギー代謝を活性化させる働きがあるのです。
カプサイシンを摂取することで、副蔵から「アドレナリン」が分泌されます。
アドレナリンには、脂肪燃焼酵素を活発にする働きがあり、脂肪燃焼がアップしエネルギー代謝が高まるのです。
また、アドレナリンは肝臓や筋肉に蓄えられているブドウ糖の分解も促します。
このときに生じる熱が体温を上昇させて、さらに代謝を上げてくれるのです。
生姜で代謝をアップ
生姜は漢方として使用されるほど、身体にとって優れた効果を発揮してくれます。
生姜をすり下ろしたときに出てくる、生姜特有の辛み成分「ジンゲロール」には、体温を上昇させたり、胃腸の代謝を上げる働きがあるのです。
また、加熱することで、血行促進や発汗作用、消化・吸収を高めるといった効果も期待できます。
ニンニクで代謝をアップ
ニンニクも生姜と同様に、漢方として使用されるほど優れた効果を持っています。
ニンニク特有の匂い成分「アリシン」は、代謝ビタミンであるビタミンB1を結合しやすい性質があります。
ビタミンB1と結合すると「アリチアミン」という物質に変化するのです。
このアリチアミンには、ビタミンB1以上に糖質の代謝を促進する働きがあり、糖質を効率よくエネルギーへと変換してくれます。
そのほかにも、脂肪燃焼を促進する効果も期待できます。
3.食べ方で代謝を上げる
代謝を上げる方法として、意外と見落としがちなのが「食べ方」です。
食べ方ひとつ変えるだけでも、代謝をアップさせることができます。
完璧にこなすことが無理でも、できる範囲内で代謝をアップさせる食べ方を続けられるようにしましょう。
よく噛むことで代謝が上がる
食事は「ゆっくり食べる」こと、「よく噛んで食べる」ことが健康にいいとされています。
とくによく噛むことは、エネルギー代謝を高める効果があるのです。
噛む動作は「視床下部」を刺激して、「ヒスタミン」という物質が分泌されます。
ヒスタミンには、満腹中枢を刺激する働きと、脂肪を燃焼させて代謝を促進してくれるのです。
「日本咀嚼会」によると、食事を一口含むごとにゆっくり30回噛むことを推奨しています。
咀嚼を多くすることで、胃腸での消化を促進させて、食べ過ぎを防ぎ満腹感をえることができます。
いきなり、30回咀嚼することは大変なので、まずは普段よりも多く咀嚼することから始めるといいでしょう。
たったこれだけでも、エネルギー代謝は確実にアップするのでオススメです。
朝食をしっかりと食べて体温を上げる
代謝を上げるには朝食もしっかりと食べなくてはいけません。
起床後は体温が下がり、代謝も睡眠モードに入っています。
身体を温めて、朝から活動的に動くために朝食は欠かせない存在です。
朝食内容は、温かいものと素早くエネルギーに変わる糖質とビタミンB1、代謝にいいタンパク質をとるようにしましょう。
和食であれば、ご飯・味噌汁・魚で、洋食であれば、パン・ハム・卵といった食事内容が理想的です。
どうしても朝食が食べられない人は、温かい飲み物を飲んで、身体を温めるようにしましょう。
4.生活で代謝を上げる
代謝は食事以外でも、ちょっとした生活習慣を変えるだけでも上げることが可能です。
今では当たり前のようにエレベーターやエスカレーターを利用することが多く、その結果筋肉が発達しにくい環境にいます。
また、暑い日にはエアコンで涼しい環境を作ってしまい、体温の調節機能も弱りやすくなっています。
便利な世の中だからこそ、意識的に生活習慣を意識するようにしましょう。
身体を温めて代謝を上げる
女性の多くは冷え性であったり、体温が低いという人がいます。
身体の冷えは代謝の天敵なので、代謝が上がりません。
理想的な体内の温度は38~40度で、この温度だとエネルギー代謝をサポートする「酵素」が活発に動き出します。
逆に体温が36.5度より低いという人は、酵素が働きにくくなってしまうのです。
代謝を上げるのであれば、外から身体を暖めて、体温を逃がさないようにすることが大切です。
身体を温めるポイントは、筋肉の多い、おなか、腰、太もも、二の腕を中心に温めます。
お風呂で代謝を上げる
温かいお湯にゆっくり浸かる入浴は代謝を上げる効果があります。
代謝機能を高めるには、38~40度程のぬるま湯で10分以上浸かることです。
ゆっくり浸かることで、身体の内側までしっかりと温まり、代謝機能を回復させます。
また、酵素の動きも活発にしてくれるのです。
身体に負担をかけない入浴方法として「半身浴」もオススメです。
心臓よりも下だけを湯船に浸かるようにして、20分以上過ごしてください。
半身浴でも体内までしっかり温めることが可能です。
日光を浴びて代謝をあげる
朝目覚めて日光を浴びると「セロトニン」と呼ばれる脳内物質が分泌します。
セロトニンには、体温の調節や自律神経など調節機能に関わっており、セロトニンが分泌されることで基礎代謝も上がるのです。
室内の明かりだけでは十分なセロトニンが分泌されないので、太陽の光を浴びるようにしましょう。
5.運動で代謝を上げる
運動はエネルギー代謝の消費量を増やす効果があります。
さらに、運動によって筋肉量が増えると基礎代謝量も上げることができるのです。
また、筋肉だけでなく骨にも適度な負荷がかかることで、より強くすることができます。
無酸素運動で基礎代謝を上げる
筋肉トレーニングなど、瞬間的に強い力を必要とする運動を「無酸素運動」といいます。
無酸素運動をおこなうと、ブドウ糖がエネルギー源となり消費されます。
無酸素運動を継続的に続けることで、筋肉に負荷がかかり、筋肉量が増えてきます。
その結果、基礎代謝量が増えるのです。
有酸素運動でエネルギー代謝を上げる
ウォーキングなど、長い時間にわたって弱い力を必要とする運動を「有酸素運動」といいます。
有酸素運動のエネルギー源は体脂肪となり、酸素とともに燃焼されます。
そのため、エネルギー代謝が上がり脂肪を減らす効果が期待できるのです。
体脂肪をしっかりと燃焼させるには、有酸素運動を最低でも10分、できれば20分以上続ける必要があります。
さらに、定期的に継続することで、筋肉量を維持し、加齢による基礎代謝の低下を止める効果も期待できるのです。
まとめ
この記事はいかがでしたか?
今回は、「代謝を上げる方法」について紹介しました。
代謝を上げることで健康な身体を手に入れたり、ダイエット効果や新陳代謝の活性化など、さまざまなメリットを得ることができます。
まずは、あなたが継続してできる代謝を上げる方法を選択して始めるようにしましょう。
この記事を読んで、少しでも代謝を上げるお役に立てたら幸いです。

【参考文献一覧】
『みるみる「代謝」があがる5つの習慣』田中亜希子著 (笠倉出版社)