更年期障害を迎えて不眠症になってしまい、毎日の生活が辛く感じていませんか?
不眠症になると疲れも取れず、疲労感も増すばかりです。
今回は、更年期による不眠症の原因と解消法についてご紹介します。
更年期障害で不眠症になってしまう原因
更年期による不眠症にはいくつかの原因があります。
とくに40歳を過ぎると「よく眠れない」「眠りが浅い」「早く目が覚める」などは更年期によくみられる症状です。
何が原因がある程度突き止めることができれば、その原因に対して最適な改善法を選択することができます。
女性ホルモンの減少が原因
更年期を迎えると女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが減少していきます。
女性ホルモンが減っていくことで、自律神経が乱れ脳細胞の新陳代謝が滞ってしまうのです。
そうなると、質の良い睡眠を引き出してくれるセロトニンやメラトニンの分泌も同時に低下してしまうので、質の良い睡眠が得られにくくなってしまいます。
また、女性ホルモンには2種類あり、エストロゲンは眠気を抑える作用があり、もうひとつの女性ホルモン、プロゲステロンには眠気を催促してくれる働きがあるといわれています。
このバランスが崩れてしまうことで、脳の睡眠中枢に悪影響が出るため、睡眠の質が悪くなる原因ともいわれているそうです。
ストレスや疲労の蓄積が原因
更年期世代になると、どうしてもストレスや疲労が、通常と比べて大きな負担を与えます。
更年期の症状に加えて、ストレスなどの負担が加わると、睡眠の質を低下させてしまうのうです。
とくに自律神経への影響が大きく、活動しているときに働く交感神経と体を休ませる副交感神経があるのですが、交感神経から副交感神経の切り替えがスムーズに行われず快適な睡眠が得られなくなってしまいます。
質の悪い睡眠が原因
睡眠時間はきちんと7~8時間と十分にとっているのに、疲れや眠気を感じることがあります。
その原因は、睡眠の質が良くないために体が休めていないのです。
疲労やストレスの溜めすぎや、お酒の飲み過ぎなどで、睡眠の質が下がることがあります。
睡眠時間を長くするよりも睡眠の質を高めることが大切です。
更年期障害の不眠症には4つのタイプがある
不眠症といっても、実は4つのタイプに分けることができます。
1.入眠困難
「入眠困難」は、なかなか眠りに入れなかったり、眠るまでに時間がかかるといった症状になります。
2.中途覚醒
「中途覚醒」は、眠ることはできるけど深夜の2時や3時頃といった中途半端な時間に目が覚めてしまう症状になります。
3.早朝覚醒
「途中覚醒」は、寝付きもよく、睡眠の途中でも起きることもないけど、4時や5時頃の早朝に目が覚めてしまう症状になります。
4.熟睡困難
「熟睡困難」は、眠りが浅い状態が朝まで続き、睡眠した気がしない症状になります。
更年期に起きやすい不眠症のタイプ
更年期に起きやすい不眠症のタイプは、「入眠困難」及び「中途覚醒」が多いといわれています。
しかし、不眠症のタイプは1つだけ当てはまるというものではなく、複数または全て当てはまる人もいるのです。
不眠症の重さは当てはまるタイプの数が多いほど重いといえるでしょう。
全て当てはまる人はなるべく早く何かしらの改善法を行い、症状を軽くするようにしましょう。
更年期障害で不眠症になったときの気をつけたい病気
更年期で不眠症になってしまうと、疲れや怠さをとても感じやすくなってしまいます。
また、不眠症になってしまうことで、イライラや気分が落ち込んだりと他の症状も起りやすくなってしまいます。
そのような状態になってしまうと、体に備わっている病気への抵抗力も当然下がっていくので、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまうのです。
空気感染がしやすい冬場などはマスクなどを着用して、病気にならないよう気をつけておきましょう。
また、更年期の治療やセルフケアなどを続けても一向に良くならない場合は、睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れているかもしれません。
なかなか不眠症が改善されないときは、婦人科などで診察してもらうようにしましょう。
就寝前にやってはいけない3つのこと
心地の良い眠りを促すためには、眠りにつくまでのリズムが大事です。
神経が高ぶった状態では、質のいい睡眠をとることができません。とくに、就寝前は次の3つは避けるようにしましょう。
1.カフェインを摂らない
コーヒーや紅茶などに含まれているカフェインには、脳を興奮させてしまう作用があります。
就寝前は、なるべくカフェインの含まれていない飲み物を飲むようにしてください。
可能であれば半年以上カフェインレスの生活を送ると症状が軽くなったという報告もあるのでカフェイン断ちするのもいいでしょう。
2.脳を刺激することをしない
脳に刺激を与えてしまうと眠りの妨げになる恐れがあります。
就寝直前まで、仕事をしたり、スマホやゲームなどは控えるようにしましょう。
遅くても就寝1時間前には、パソコンやテレビ、スマホなど使用を止めると、脳が睡眠する準備がしやすくなります。
3.嫌なことを考えない
就寝前には、今日あった嫌な出来事や、仕事でのトラブルなど思い出すと興奮や不安感が襲い眠れなくなることがあります。
瞑想やリラクゼーション音楽などで何も考えない状況を作り出して対策をしましょう。
また、深呼吸すると気分が落ち着きやすくなり、心身ともにリラックスすることができます。
更年期障害による不眠症を改善させる方法
更年期による不眠症は、セルフケアなどの改善方法などを継続することで、徐々に不眠症を解消することも可能です。
また治療中の人でも、治療とあわせて行うことで改善の効果を高めるのに期待ができます。
【改善法①】深呼吸をして眠りを誘う
布団やベッドに入ったら、まず仰向けになって目を閉じてください。
始めにスゥ~っと息を吐ききったあと1~2秒止めます。次に思い切り息を吸い込んでまた1~2秒止めます。
この深呼吸法を3~4回程度繰り返すことによって、交感神経から副交感神経へ切り替わりやすくなり、快適な眠りを誘ってくれます。
【改善法②】朝のウォーキングを楽しむ
夜に質の良い睡眠を取るには1日のリズムをきちんと作ることが大切です。
朝起きたら、太陽の光をしっかり浴びながら30分~1時間程度のウォーキングをすることで、乱れた体内時計を整えることができます。
疲労感や体調が優れない日は、ウォーキングは避けて窓際で太陽の光だけでもしっかりと浴びておきましょう。
それだけでも、体内時計の調節がしやすくなり、1日のリズムを整えることができます。
【改善法③】ハーブティーを飲んで気持ちをリラックスさせる
コーヒーや紅茶などカフェインが含まれた飲み物の代替えとして、ハーブティーがオススメです。
ハーブティーにはカフェインが含まれてなく、リラックス効果を高めてくれます。
とくにオススメなハーブは、「カモミール」「パッションフラワー」で高ぶった神経を沈静化してくれる効果あります。
また「ラベンダー」「クラリセージ」にもリラックス効果を高めてくれるので、色々と試して見るのもいいでしょう。
【改善法④】一口だけ甘いものを食べる
漢方的には、甘い物を食べることで張り詰めていた気持ちが緩み、眠りやすくなるといわれています。
就寝前にケーキやお菓子などを食べると、体にはあまりよくないのでご褒美としてたまに食べる程度にしましょう。
オススメは自然な甘みと食物繊維が豊富なドライフルーツです。1個だけでも満足感を得ることができます。
【改善法⑤】就寝前にホットミルクを飲む
就寝前にホットミルクを飲むこともオススメです。
牛乳には、質のいい睡眠を導いてくれるセロトニンの材料となるトリプトファンが含まれています。
トリプトファンを摂取することでセロトニンの分泌が良くなり入眠のサポートをしてくれます。
【改善法⑥】足下を温める
更年期を迎えてると、お風呂でしっかりと体を温めてからすぐに布団やベッドに入っても、足下が冷えて眠れないことがあります。
「頭寒足熱」と言われるとおり、足下を温めてあげるのが質の良い睡眠をとるポイントの一つです。
靴下をはいて寝るのは、足裏の体温調節機能を低下させてしまうので避けてください。
足下が温まったあと簡単にはずせる湯たんぽを使用するといいでしょう。
【改善法⑦】頭のツボ押しで気持ちを静める
就寝前は、1日の緊張などで頭に血液があがったような状態になっています。
そんな緊張状態をほぐす方法として頭部のマッサージが効果的です。
まずは指の腹で頭部全体を揉むような感じでマッサージをしましょう。
そのあと、頭の丁度てっぺんにある「百会(ひゃくえ)」というツボを押さえることで、血液の巡りがよくなってスッキリします。
出典:漢方デスク
【改善法⑧】足裏のツボ押しで快適な睡眠を促す
足裏にある「失眠(しつみん)」というツボを押すことで、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになります。
また、血行も良くなる上に全身のリラックスに効果的です。
失眠のツボは、踵の中央あたりにあります。
失眠のツボ押しは、入浴中でも眠る直前に押してあげたり、たたいたりして刺激を与えてあげましょう。
ドライヤーなどの温風で温めたり、お灸を乗せたりするのもオススメです。
【改善法⑨】小指のツボ押しで眠気を覚ます
小指にある「腎穴(じんけつ)」というツボを押すことで、交感神経が刺激されます。
腎穴は小指の内側にある第一関節の中央にツボがあります。
反対の手で親指と人差し指で挟さみ押すことで、ちょっとした怠けなどを解消し、やる気と元気が出て気持ちがビシッと引き締まります。
【改善法⑩】寝室をリラックスできる環境にする
寝室を心地の良い環境に模様替えしてあげることで気持ちが落ち着き、リラックスできるようになります。
カーテンは遮光と遮音効果のあるものにして、光と音を遮断します。また寝具もなるべく自分が心地良いと感じるものを選ぶのが大切です。
とくに枕はちょっとした高さの違いで睡眠の質が変わりやすいともいわれています。
枕専門店などで頭から首を計測して専用枕を作ることで眠りやすくなる場合もあるので試してみるといいかもしれません。
あとは、ラベンダーなど気持ちを落ち着かせる効果があるアロマを漂わせることで、より安眠がしやすくなります。
あなたがリラックス出来るよう色々アレンジしてみてください。
【改善法⑪】入眠するための習慣を身につける
就寝前まで仕事や家事、スマホの使用などをしていると脳に刺激を与え寝付きが悪くなります。
部屋の明かりを薄暗くして、静かに過ごすリラックスタイムを30分程度設けるようにしてみましょう。
リラックスタイム中に、ツボ押しやハーブティーを飲むとリラックス効果が高まります。
このリラックスタイムを毎晩続けることで習慣化されていき、脳にリラックスタイム後は睡眠するという意識が働くようになります。
そうなれば、リラックスタイム後には、自然と眠気が起り質の良い睡眠がとれるので試してみてください。
まとめ
更年期に起こる不眠症はとても辛く、体力も日に日に減ってきてしまいます。
今回、紹介した改善法を色々試して、あなたにあった方法を是非みつけてください。
また、不眠症が酷い場合は、必ず病院にいって診断してもうようにしましょう。
この記事を読んで、少しでも更年期による不眠症改善のお役に立てたら幸いです。