「なんで、こんなことでイライラするんだろう?」
と悩んだり落ち込んだりしていませんか?
更年期障害を迎えると、今まで平常心でいられてたことが、気になったりストレスを感じやすくなります。
これは、あなたの性格のせいではなく、更年期障害特有の原因があるからです。
今回は、今年期障害によるイライラの原因と解消法についてご紹介します。
更年期にイライラしやすくなる原因は何?
イライラとしてしまう心の不調は、プレ更年期を迎えるころから始まります。
プレ更年期や更年期に入ると、いままで規則的に分泌されていた女性ホルモンが低下していき、さまざまな不調が起こります。
とくに、女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」が低下することで、脳内神経伝達物質のセロトニンなどの代謝が悪くなります。
その結果、イライラしたり怒りっぽくなるなど、情緒不安定になりやすくなるのです。
また、40代を迎えると役職や上がり部下の管理や、夫婦間の悩み、子育て疲れなど日々の生活で少しずつストレスが蓄積されて症状を悪化させる要因にもなります。
ストレスは自律神経のバランスを乱すため、「うつ病」や「自律神経失調症」を引き起こしたり、女性ホルモンバランスが不調になりやすいのです。
イライラや怒りっぽくなる症状を緩和させるには、これらの原因を少しでも緩和させることが大切です。
更年期によるイライラの症状も人によってさまざま
イライラといっても個々で感じ方は異なってきます。イライラは下記のような症状を感じることがあります。
- 怒りっぽくなる
- 些細なことでカッとなる
- ムシャクシャする
- 面倒くさい気持ちが増える
- 訳もなくイライラする
このように、イライラの症状にも人それぞれパターンが異なるのです。
普段感じたことないイライラ感が出てくるようであれば、更年期による原因の可能性が大きいです。
また、このような症状を起こしたあとに後悔することで、さらにイライラするなどの悪循環に陥ってしまうこともあります。
更年期のイライラ症状が引き金となって起こす体の不調
更年期を迎えてイライラの症状が続くと体へ悪影響を及ぼすことがあります。
イライラする症状の人が起しやすい体の不調は次の通りです。
頭痛
イライラの症状で起きる頭痛は、ズキズキと痛む「片頭痛」が多いといわれています。更年期に入ると血流が悪くなりやすく、脳の血管を拡張させて片頭痛を引き起こします。
更年期の頭痛については「更年期障害で頭痛の症状が起きる原因と対処方法」の記事で詳しく解説していますので、良かったら合わせてご参照ください。
のぼせ・ほてり・発汗
イライラの症状が起こると熱が溜まりやすくなります。
熱は上へと上昇する性質と同様で、体内で蓄積された熱は、首から上にかけて集中しやすいのです。
その結果、暑くもない場所で汗が出たり、ほてりやのぼせといった症状が起きやすくなります。
ほてりや発汗はすごいですが、体温は通常と変わらないのが特長です。
多汗やほてりについては「更年期障害による多汗やほてりの原因と抑え方のまとめ12選!」の記事で詳しく解説していますので、良かったら合わせてご参照ください。
高血圧
イライラしやすい人は、気を張って頑張ってしまう傾向があるので、血管に負担がかかりやすくなります。その結果、高血圧を引き起こしやすくなってしまうのです。
高血圧は、そのままにしておくと動脈硬化や心筋梗塞になってしまうこともあるので、定期的に測定し高血圧が軽いうちにセルフケアなどでコントロールすることが大切です。
動脈硬化の危険性については「動脈硬化が重大な病気を引き起こす!?改善方法と予防対策を徹底調査」の記事で詳しく解説していますので、良かったら合わせてご参照ください。
手足の冷え
のぼせや発汗で熱は上へとあがる結果、下半身や手や足の先まで熱が回りにくいので、手足の冷えを感じやすくなります。
また、冷えが酷くなると、じんじんとした痛みが出ることもあり、なかなか寝付けないこともあります。
更年期のイライラは放置していたら治まるのか?
一般的に更年期障害の期間は、 閉経をはさんだ10年くらいの期間といわれています。
最近ではプレ更年期といって、更年期前に訪れる緩やかな卵巣機能低下や、ストレスによる自律神経の乱れによって更年期に似た症状がでる人が増えているそうです。プレ更年期は30代後半~40代半ば頃に現れやすいそうです。
イライラの症状は、更年期の期間で起きる女性ホルモンの低下によって引き起こされているので、放置してても更年期の期間を過ぎれば症状は治まります。
しかし、長い期間、不快な症状を放置して過ごしていると心身への負担が大きく、精神的な病に罹ったり、体への不調が現れやすくなってしまいます。
ですから、放置して更年期の期間を過ぎるまで待つことは心身へのリスクが高いので避けた方がいいでしょう。
これから紹介する解消方法など自分にあったものを見つけて、上手にセルフケアすることが体にとっても一番いい方法です。
また、症状が酷い場合は婦人科クリニックなどで早めに診察するのも大切です。
更年期によるイライラ解消法
イライラや怒りっぽくなってきてると感じたら、早めに解消することで心身の負担が軽くなります。
ここでは比較的簡単にできるイライラしたときの解消方法をご紹介します。
深呼吸をする
イライラしやすい人の性格は、頑張り屋で困難にも立ち向かう性分が多いので自らストレスを生み出してしまうことがあります。
自分でイライラしてきているなと感じたら、その場から離れて、ゆっくりと深呼吸をしましょう。お腹にためるイメージで大きく口から吸って、しばらく止めた後、ゆっくりと鼻から吐いていきます。
深呼吸には心を落ち着かせる作用があるので、何回か繰り返し行うことでイライラした感情が静まります。
笑顔を作る
イライラしている時は、顔がこわばって筋肉が常に緊張状態になっています。
そんなときは、鏡に向かって笑顔を作ってみましょう。職場の場合は、コンパクトな手鏡を持ってトイレの個室などで、自宅の場合は姿見や洗面台の鏡で笑顔を作ります。
笑顔を作ることで顔全体の緊張がほぐれて肩の力などが抜けやすくなるのでリラックス効果が期待できます。
また、自分の笑顔をみることで脳にもいい影響を与えて、楽しい気分を思い出しやすくなり、気持ちが楽になります。
散歩をする
同じ場所にずっと居ると、色々と考え事をしてしまったりして、イライラとした気分もなかなか緩和されにくいです。
場所が変わると周りの風景が一変するので、ふと我に返って冷静になれたりします。
とくに公園や緑の多い道を軽く散歩をしながら新鮮な空気を取り込むと、血流が良くなり体全体が温まることでイライラを静めてくれる効果が期待できます。
好きな香りで落ち着かせる
香りには精神的疲労を軽くしてリラックスさせる効果があります。
あなたの好きな香りのアロマをハンカチに染みこませて持ち歩いたり、就寝時は枕元に置くといいでしょう。
初めてアロマを買う人は下記の香りがオススメです。
リフレッシュ効果のある香り
- ミント系
- ローズマリー
- 柑橘系
気持ちを穏やかに静める効果のある香り
- ラベンダー
- イランイラン
- ジャスミン
オリジナルの香りを作る
手軽にオリジナルの香りを作るのであれば無印良品の「香り工房」を利用するといいでしょう。(一部の店舗のみ実施)
アロマセラピストが作った48種類のレシピから選ぶこともできるほか、スタッフと相談しながら作ることができます。
価格も調合込みで10mlで1,575円、30mlで3,500円とリーズナブルなので初めて作る人にオススメです。
香り工房についてはアロマライフデザイナーの小田ゆきさんの記事「自分にぴったりの香り探しに。無印良品の「香り工房」へGO!」でさらに詳しく解説していますので、良かったら合わせてご参照ください。
イライラ感を軽減するメガネを掛ける
東海光学が2016年5月10に発売した、女性の更年期のイライラ感を軽減するメガネ「美美 Pink(ビビピンク)」も効果的です。
この美美Pinkメガネは、芦屋こころとからだのクリニックの院長で医学博士である春田博之が監修し制作したメガネです。
更年期による心の乱れなどを減少する効果があり、さらに気分や前向き感が向上するという評価も多く、落ち込みやすくうつっぽい感じになりやすい人にも効果が期待できます。
使用時間は1日30分程度でも更年期によるイライラ感を軽減する働きがあるそうです。
家事や掃除、ちょっとした外出時に使用すると生活に取り入れやすいかもしれません。
更年期によるイライラの予防対策
更年期によるイライラを抑えるには、普段から予防対策を心がけることが大切です。
全ての予防対策を一気に始めてしまうと面倒くさいと感じ長く続かないことがあります。
なので、一番簡単にできそうな予防対策から始めて習慣になってきたら、またひとつ増やしていくと継続しやすくなります。
タバコは止める
喫煙者の人は今すぐにタバコを止めることで、更年期によるイライラなどが軽減されていく効果が期待できます。
そもそもタバコはイライラを抑えるために吸っている人もいるかと思いますが、タバコを吸うことで血管が収縮してしまいます。
さらに、タバコ1本を吸うと卵巣の血流が3分間止まるともいわれているのです。
卵巣への影響は更年期障害との関連性が強いので、女性ホルモンがどんどん低下していき悪化させてしまいます。
喫煙者の人はぜひ禁煙することをオススメします。
睡眠をしっかりととる
寝不足が続くとイライラ感が増してしまうので、まずはしっかりと睡眠をとることが大切です。
なかなか寝付けない人は、自分専用の枕を専門店で作ったり、安眠を促すラベンダーの香りを漂わせたりすると、寝付きが良くなったりします。
また、就寝時間と起床時間を決めることで、睡眠のリズムを作ることができて自然と眠りに入る体質へと変わるのでオススメです。
入浴で体を温める
体が冷えていると自律神経のバランスが乱れリラックスすることができません。
半身浴などで、ゆっくりとお風呂に浸かり体を温めて、脳をリラックス状態にさせましょう。
栄養バランスがいい食事をとる
肝臓に負担がかかり疲労しているとイライラ感が増してしまいます。
なるべく肝臓に負担を掛けないよう、脂っこい食事は控えるようにしましょう。
また、カルシウムには神経の異常興奮を抑える作用もあるので、魚料理など積極的に食べるといいでしょう。
まとめ
更年期障害を迎えると、どうしても心の不調が現れてイライラしやすくなります。
でもそれは、あなたが自分を責めてしまわなければ原因ではありません。
だれもが通る更年期特有の症状であり、上手に付き合っていくことで対処することができます。
この記事を読んで、イライラの対処法や予防法など、あなたに合った方法が見つかりお役に立てたら幸いです。