更年期障害で、「めまい」がする回数が増えて辛くないですか?
更年期を迎えると、不調が続くので何気ない生活をただ過ごすだけでも大変です。
とくに、めまいが起きてしまうと、全くっていうほど動くことができなくなるので1日潰れてしまうこともあります。
今回は、更年期で起きるめまいの原因と対処法についてご紹介します。
更年期によるめまいの原因
更年期障害で起きる、めまいは、主に女性ホルモンの中のひとつであるエストロゲンの分泌が関係しています。
エストロゲンの低下やホルモンバランスの乱れによって、更年期障害が引き起こされることが多いです。
女性ホルモンが乱れると、自律神経の働きも乱れ出すので、脳の血流が悪くなり、めまいといった症状が現れやすくなるのです。
また、過労やストレスによる負担の影響も大きいので、仕事が忙しく睡眠不足になったり、精神的な悩みが続いていると、それがきっかけでめまいが起きることもあります。
特に40代に入ると下記の図のようにエストロゲンの分泌が低下し始めるので注意が必要です。
更年期によるめまいの種類と症状
厚生労働省の「平成22年国民生活基礎調査の概況」によると、40代の女性で34.9%がめまいの症状に悩まされているとの回答結果が出ています。
40代女性の約3人に1人がめまいの自覚症状を感じるようになるわけです。
めまいといっても、いくつかの種類があり、それぞれ症状が異なっています。
浮動性めまい
「浮動性めまい」の症状は、立ち上がったときなどにクラクラしたり、フラフラするなど乗り物酔いに近い感覚があります。
また、頭を動かしたときにめまいを感じるのも特長のひとつです。
【浮動性めまいが起きやすい条件】
貧血状態だったり、低血圧が続いていると浮動性めまいが起きやすいといわれています。
立ちくらみ(眼前暗黒感)
「立ちくらみ」の症状は、貧血や酸欠のときに感じるスゥーとする感じや、辺りが一瞬真っ暗になる感覚があります。
とくに、屈んでから立ち上がるときなどに感じやすいです。
【立ちくらみが起きやすい条件 】
ほとんどの場合、短時間による脳全体の循環障害によるもが多く、それが原因で立ちくらみが起きるとされています。
また、不整脈などの自律神経系や心血管系の異常も要因のひとつと考えられています。
回転性めまい
「回転性めまい」の症状は、周囲がグルグルと回るような感覚があります。
また、耳鳴りを伴うこともあります。
【回転性めまいが起きやすい条件】
回転性めまいの多くが、内耳にある三半規管のトラブルによるものです。
疲労が蓄積していたり、ストレスが溜まっていると起きやすいといわれています。
更年期でめまいが起きたときの対処法
どのタイプのめまいでも、まずは安静にすることが大切です。
急に症状が起きたときは座ったり、しゃがんだり、壁に寄りかかるなど一番楽になる姿勢で症状が落ち着くまで安静にしてください。
疲労やストレスが抜け切れていないと症状はなかなか改善しない上に、さらにめまいに対して不安な気持ちになるのも、症状を悪化させてしまいます。
自宅でめまいが起きたときは、無理をせずリラックスできる環境に身を置いて症状が落ち着くまで安静にしましょう。
症状が落ち着いてきて、めまいに対して不安が残るようであれば、病院にいって診察を受けるようにしてください。
更年期によるめまいの予防対策
普段から、めまいが起きないように予防対策を心がけることも大切です。
ここでは、めまいの予防対策いくつかご紹介するので、自分に合ったものを試してみてください。
入浴でリラックスする
半身浴や足湯などで、ゆっくりと体を温めると、筋肉の緊張状態もほぐれ、心身ともにリラックスできるので、めまいの原因である疲労やストレスを解消することができます。
また、好きな音楽を流したり、アロマオイルを1~2滴ほど垂らし香りを楽しむのも効果的です。
質の良い睡眠をとる
疲労やストレスの解消には、質の高い睡眠が欠かせません。
ストレスの原因のひとつに自律神経の乱れがあります。
自律神経には、交感神経と副交感神経がありバランスが悪くなると体の不調をきたすともいわれています。
睡眠をとるだけで自律神経が整うので心が安定しストレスや疲れなど解消してくれます。
質の高い睡眠をとるには、就寝1~2時間前にはスマホやテレビなどは見ないようにし、心を落ち着かせる音楽や読書をすると自然と脳が眠る準備に入るので効果的です。
栄養バランスがいい食事をとる
仕事などが忙しいときなど、ついついインスタント食品に頼りがちなってしまいます。
めまいを誘因する疲れを解消するには栄養バランスのいい食生活は欠かせません。
しっかりと摂りたい栄養素として、血流をよくしてくれるビタミンEと、疲労回復効果があるビタミンB群は積極的に摂りましょう。
ビタミンEは、カボチャや鰻、アーモンドなどに多く含まれています。
また、ビタミンB群は豚肉やレバー、魚介類など含まれています。
自炊時間がない場合は、なるべく和食の総菜やお弁当を選んで食べるといいでしょう。
ツボマッサージを行う
めまいは、血液の流れが悪くなって起こることがあります。
ツボには血流を良くしてくれる作用があるので、隙間時間を見つけてツボをマッサージすることで、めまいを予防することができます。
出典:赤岩治療院
翳風と風池のツボマッサージ法
「翳風」「風池」は、耳の血流を良くする効果があります。
指をチョキにして、人指し指を「風池」中指を「翳風」にあて、小さく円を描くように刺激してみてください。
めまいが起きていない時に普段から気がついた時にこまめに刺激すると良いでしょう。引用元: 赤岩治療院
百会のツボマッサージ法
めまいと頭痛が気になる方は「百会」で頭部の血流を良くしましょう!
ただし、偏頭痛の痛みがある時は控えて下さい。引用元: 赤岩治療院
中渚のツボマッサージ法
「中渚」は、耳の症状全般に効果のあるツボです。
耳鳴りの症状があるときにもお勧めです。引用元: 赤岩治療院
漢方薬で予防する
漢方薬にも更年期障害による症状を緩和してくれる効果があるそうです。
東京医科歯科大学病院産婦人科の久保田俊郎教授によると、エストロゲンの補充だけでは効果が出にくい症状の治療に、漢方薬が見直されているそうです。
臨床実験の結果、頭痛やめまいについては「加味逍遙散(かみしょうようさん)」で明らかな効果があったそうです。
臨床実験の内容
臨床試験は、1995年からの14年間に更年期外来の治療プログラムに参加した患者を対象に行われた。
中等度以上の不眠を訴えた人の中で、薬物治療を全く受けていない77人と前述の「三大処方」のいずれかひとつを服用した74人について、平均144日間の治療期間前後の症状の変化を比較検討した。引用元: 日経ウーマンオンライン
加味逍遙散の漢方薬は、市販薬局でも扱っているので、試してみて様子をみるのもいいかもしれません。
市販されている加味逍遙散
めまいが起きたら病院へ行くべき?
めまいが起きたときに、少し休んで症状が治まるようであれば、あまり心配はありません。
下記のようなめまいが起きたときは病院へ行って受診したほうがいいです。
めまいが繰り返し起きる・体が痺れる
めまいを繰り返したり、体が痺れるような感覚があった場合は、一般的なめまいの原因とは異なる可能性があるので病院で受診しましょう。
急にグルグルと回転し耳鳴りや難聴を感じる
急に回転性のめまいが起きて、耳鳴りや難聴を伴っている場合は、「メニエール病」や「突発性難聴」、「随転換性めまい」の可能性があります。
これらの病気は、治療が遅れると後遺症が残ることがあるので、早めに病院へ行って検査してもらいましょう。
めまいが起きたら何科を受ければいいの?
めまいの症状が起きたときは、耳鼻咽喉科、内科、脳神経外科、心療内科などで診察や治療をしてくれます。
激しい頭痛や痺れを感じるようであれば、内科、脳神経外科で診てもらうといいでしょう。その他の症状や判断に迷う場合は、まず耳鼻咽喉科で受診することをオススメします。
めまいの原因によっては、初めに受診した診療科から別の診療科を紹介してくれ、そこで治療を行ってくれるので、あまり病院選びで悩まなくでも、ネットワークがしっかりされているので、「受ける診療科が間違っていたらどうしよう 」という不安を持たなくて大丈夫です。
まとめ
更年期障害で起きるめまいの原因や対処法についてまとめてみました。
めまいが起きたときは、早めに安静にすることが大切です。
また、今までに感じたことのないめまいがした場合は、病院で診察してもらうようにしましょう。
この記事を読んで、少しでも更年期のめまい対策のお役に立てたら幸いです。
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