30代を越えてくると、学生や20代の頃にはなかった体の変化を感じるようになってきます。
「最近運動不足で、体がたるんできた」
「年々少しずつ体重が増えている」
「坂道や階段の昇り降りがつらい」
といった悩みを持っている人も多いのではないでしょうか。
何とかしたいと思っていても、フィットネスやジムに通うのは経済的に少し厳しかったり、家事や仕事が忙しいと、ジョギングやウォーキングに時間を取る暇もなかったりしますよね。
運動はしたいけど時間もお金もかけたくない、そんな風に考えている忙しい女性にぴったりなのが「縄跳びダイエット」です。
この記事では、縄跳びダイエットの方法やその効果、忙しい女性に向いている理由や具体的な実践方法などについて紹介していきます。
縄跳びダイエットとは
縄跳びダイエットとは、文字通り縄跳びを使ったダイエットです。
小学生の頃に遊んでいたような、大型スーパーやホームセンターなどで売られている普通の縄跳びを使い、前飛びを繰り返してカロリー消費と筋力アップを狙うものです。
縄跳びは手軽にできるものでありながら、結構な運動強度があります。
厚生労働省が提供するデータでも、縄跳びは「強い運動」として分類されており、ジョギングや水泳、登山といったハードな運動と同程度のカロリーを消費することができます。
縄跳びダイエットに必要な道具は縄跳びのみですが、実は縄跳びを使わなくても縄跳びダイエットをすることは可能です。
縄跳びを飛んでいるように、腕を振りつつリズミカルにジャンプする「エア縄跳び」を繰り返しても、運動効果はほぼ同じです。
縄跳び運動は飛び方やスピードを調整すれば、有酸素運動にも無酸素運動にもなります。
脂肪燃焼に直接はたらきかける有酸素運動と、筋力を上げる無酸素運動はどちらもダイエットに必要な運動なので、縄跳び1つで両方をカバーすることが可能です。
手軽にできて運動強度もある縄跳びダイエットですが、どの程度カロリーを消費できるのでしょうか。また、体のどの部位に高い効果があらわれるのでしょうか。
縄跳びダイエットの効果
縄跳びをジョギングと同程度の運動と考えた場合、体重60kgの人が通常の早さで行う縄跳び30分で消費するカロリーはおよそ400~500kcalとなります。
通常の早さとは、およそ1分間に60~70回程度飛ぶようなスピードです。
このスピードで縄跳びを続けると、日ごろ運動していない人は1分ほどで辛くなってきます。
そのため、最初のうちは1分間飛んで30秒~1分休憩し、また1分飛ぶというセットを細かく繰り返すことになります。
1週間、2週間と縄跳びを続けていると、縄跳びに必要な筋力や持久力がついてきて、徐々に早く、そして長く飛べるようになってきます。
この短いインターバルで運動を繰り返すところに縄跳びダイエットの持つメリットがあるのですが、これについては後述します。
有酸素運動としての縄跳び
有酸素運動は、20分以上続けないと体脂肪が燃えないとよくいわれます。
縄跳びが数分しか続けられないなら、有酸素運動にならないじゃないか、と思われるかもしれません。
しかし、有酸素運動は細切れにしても体脂肪の燃焼に効果があることがわかっています。
「一生太らない体のつくり方」などの著書で知られる、東京大学教授で理学博士の石井直方先生は、その著書の中で
『有酸素運動を20分連続して続けなくても、筋肉や血中の脂肪が使われることにより、結果的に体脂肪から脂肪を補おうとするので脂肪は燃える』
という趣旨のことをいわれています。
運動中に体脂肪を燃やすには20分以上続ける必要がありますが、運動中に燃えなくても結果的に体脂肪が燃えればよいのですから、20分以上連続して有酸素運動をしなくてもよいということになります。
無酸素運動としての縄跳び
縄跳びを始めると、数セット繰り返しただけで下半身の筋肉に手ごたえがあるのがわかります。
ジャンプするときと着地するときに、内ももや、ひざの上、ふくらはぎ、お尻などの筋肉が使われています。
また、縄跳びを振る腕の筋肉も使われているのが感じられます。
肘を曲げた角度で何度も回すことにより、ちょうど引き締めたい辺りの二の腕に効いてくるのです。
縄跳びのスピードを早めて数分も飛べば、しばらく運動をしていない人ならかなりの確率で筋肉痛になります。
縄跳びはそれだけ、筋力をつける無酸素運動としての効果もあるのです。
筋肉がつけばより長い時間、より強い運動ができるようになり、比例して消費するカロリーや脂肪も多くなっていきます。
無酸素運動と有酸素運動の両方をバランスよく取り入れて、よりたくさん飛べるようになりたいですね。
それでは、いよいよ具体的な縄跳びダイエットのメニューについてご紹介していきます。
縄跳びダイエットのメニュー
ここでは、縄跳びダイエットのメニューについて「初心者向け」「中級者向け」「上級者向け」の順に紹介します。
- ストップウォッチまたは時計(アラーム付きのものがよい)
- 縄跳び(なくても可)
- スニーカー(屋外で飛ぶ場合。衝撃吸収に優れたもの)
- マット(30cm四方程度のものでOK。衝撃吸収と階下への振動防止を兼ねる)
【初心者向け】
1分間に60~70回の早さで飛び、1分飛んだら30秒~1分休憩を取る=1セットとして
10セット/日
縄跳びダイエット初心者で、日ごろあまり運動をしていない人は、1分間に60~70回程度の早さから始めます。
「普通のリズムで飛ぶ」感覚で縄跳びをすると、大体1分間で70回に届かないくらいになります。
1秒に1回のペースだと、最初はかなりゆっくりに感じてペースが掴みにくいため、1分経過したらアラームが鳴るようにストップウォッチをセットして、自分が飛びやすい回数をカウントしていきます。
可能なら1分飛ぶ~休憩~1分飛ぶのを10回繰り返しますが、キツい場合は朝と晩で5セットずつ2回や、朝3セット、昼3セット、晩4セットなど、10セットを分割して行いましょう。
分割して行う場合は、食事制限も意識しましょう。脂肪や糖分を控え、体脂肪の燃焼を促すようにします。
最初は3セットだけでも汗だくになりますが、ジョギングも水泳も、始めたばかりのときはそんなに長く続けられないものです。
初心者メニューを毎日淡々とこなして、楽にできるようになったら中級者向けへと進みます。
【中級者向け】
1分間に70~80回の早さで飛び、2分飛んだら30秒~1分休憩を取る=1セットとして
10セット/日
初心者向けメニューが楽になってきたら、徐々に飛ぶスピードを早めていきます。
持久力もついてくるので、飛ぶ時間も倍の2分に伸ばします。
最初の1分間は1秒間に2回、1分120回程度の早いジャンプを取り入れると、無酸素運動により効率よく筋力がアップします。
マラソンのタイムを伸ばしたいときに、ダッシュで走って速度を落とす、ということを繰り返すトレーニングをすることがありますが、これを縄跳びにも応用します。
10セットの割り振りは初心者用のときと同じでも構いませんが、増やせるなら1セットでも多く、1回に行うセット数が10セットに近づくように回数を増やしていきましょう。
二重飛びができる人は、2分飛ぶ間にときどき二重飛びで飛んでみましょう。二重飛びを挟むことで、より運動強度が上がり消費カロリーを増やせます。
中級者向けのメニューを10セット通しでできるようになったら、連続で20分以上運動できることになります。
毎日初心者向けのメニューを続ければ、およそ数週間で中級者メニューに移れます。
その頃には、運動をするための体ができてきて体を動かすことが楽しくなり、体も少し引き締まってくるのがわかるはずです。
運動に慣れてくるこの時期は、捻挫などトラブルも発生しやすくなります。
縄跳びが楽しくても体に異変を感じたら無理せず、休憩を挟んだり湿布をしたり、痛みや腫れがあるようなら医師の診察を受けるようにしましょう。
【上級者向け】
1分間に100~120回の早さで二重飛び・片足飛び・クロス飛びと飛んでいき、2分飛んだら30秒~1分休憩を取る=1セットとして
10セット/日
中級者向けもできるようになったら、二重飛びやボクサーがやっているような片足飛び、クロス飛びなどにも挑戦しましょう。
飛び方によっては、1秒間に2回以上飛ぶことも可能です。
これができるようになる頃には、人前で飛ぶと「かっこいい」と思われるレベルになっているはず。
ダイエットの効果で体重も減少していれば、体も軽くより早く高く飛べるようになっています。
次に、縄跳びダイエットを続ける上でのメリットとデメリットについてご紹介します。
縄跳びダイエットのメリットとデメリット
縄跳びダイエットにもメリットとデメリットがあります。
それぞれの特徴をきちんと把握しておくことも大切です。
縄跳びダイエットのメリット
縄跳びダイエットの1番のメリットは、1セットあたりの時間が短く、思い立ったらすぐできるところです。
ジョギングやウォーキングも気軽にできますが、歩いた距離を帰ってこなければならないため、1セットにかかる時間がどうしても長くなってしまいます。
縄跳びダイエットのメニューでは休憩を入れてまた飛ぶことを繰り返しますが、時間がなければ1セットだけでもよいのです。
思い立ったときにすぐやれて、忙しくなったら中断できるため生活の中で気軽に運動量を増やすことができます。
縄跳びダイエットのデメリット
縄跳びダイエットのデメリットとしては、ジャンプを繰り返すために足に負担がかかりやすいことが挙げられます。
縄跳びのフォームが悪いとひざや足首を痛めやすく、1度痛めるとせっかく続けて飛べるようになった頃に中断せざるを得なくなるため注意が必要です。
フォームに自信がなかったり、関節を痛めやすい人はスタッフのいるスポーツメーカーやジムなどで、1度フォームのチェックをしてもらうことをおすすめします。
まとめ
この記事はいかがでしたか?
今回は、「縄跳びダイエットの方法と効果」について紹介しました。
短く刻んで繰り返し飛ぶことで運動量と筋力を増やせる縄跳びダイエット。
フォームや関節に注意して、家事や仕事の合間にちょこちょこと続けて徐々に体を絞っていくようにしましょう。
この記事を読んで、少しでも縄跳びダイエットのお役に立てたら幸いです。
