広島テレビ運営の「感染症・予防接種ナビ」によると、2017年6月から「溶連菌感染症」の報告数が増加し続けているそうです。
過去10年間でもっとも報告数が多かった2015年と同等の報告数で流行しています。
今後、さらに増加する可能性があるので、しっかりと予防対策をするようにしましょう。
この記事では、溶連菌感染症について紹介していきます。
小さなお子様がいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
溶連菌感染症が流行している地域(2017年6月現在)
IDWR2017年第23週(2017年6月5日6月11日)のデータによると、報告数がもっとも多いのが「鳥取県」です。
その次は、「山形県」「大分県」「福岡県」「埼玉県」の順になっています。
地域に偏りがないため、今後も他県で報告が増加する可能性もあるので注意が必要です。
溶連菌感染症は子どもがかかりやすい病気
溶連菌感染症とは、「溶血性連鎖球菌」という細菌に感染して引き起こる病気です。
溶連菌感染症は、喉を痛めやすい子どもを中心に感染しやすく、主に喉に対して感染するケースが多いようです。
溶連菌感染症になると、「咽頭炎」や「扁桃炎」、そして小さな赤い発疹を伴う「猩紅熱」といった病気を引き起こします。
溶連菌が引き起こす病気
溶連菌が原因で引き起こす病気は次のようなものがあります。
粘膜
- 咽頭炎
- 扁桃炎
- 猩紅熱
- 中耳炎
- 副鼻腔炎 など
皮膚・軟部組織
- 伝染性膿痂疹
- 蜂窩織炎
- 丹毒 など
その他
- 肺炎
- 菌血症
- トキシックショック症候群 など
溶連菌感染症の症状とは
溶連菌感染症の主な症状は2つあります。
その症状が、「発熱(38~39度)」と「喉の痛み」です。
一方で、3歳未満ではあまり熱が上がらないとはいわれていますが、個人差があるため一概に決めつけないほうがいいでしょう。
また、他の症状では「イチゴ舌」と呼ばれる、舌にイチゴのような白っぽいブツブツがあらわれたりします。
体に赤い発疹が出たり、「頭痛」「腹痛」「首筋のリンパ節の腫れ」などの症状も出るケースがあるそうです。
溶連菌感染症のピークを過ぎると、発疹のあとには皮がむけてくるようになってきます。
溶連菌感染症は、風邪と異なり咳や鼻水がでないのが特徴です。
子どもが喉の痛みを訴えてきたら病院で診察を受けるようにしましょう。
溶連菌の潜伏期間はどのくらい?
「国立感染症研究所」によると、溶連菌の潜伏期間は2~5日程度だそうです。
しかし、潜伏期間中による感染性については現在も不明だそうです。
また、子どもだけでなく大人にかかる病気なので、大人も注意しましょう。
溶連菌感染症の治療方法
溶連菌感染症と診断された場合、まず症状を軽くする薬が処方されます。
その他に「抗菌薬」も処方されます。
この抗菌薬は、病気の原因である溶連菌を除菌する大事な薬です。
薬を飲み始めると、2~3日で症状が落ち着いてきます。
しかし、抗菌薬は完全に除菌するために、症状が完治しても5~10日間ほど飲み続ける必要があるそうです。
このあたりは、担当医師にしっかりと説明を受けて、処方されたとおりに飲むようにしましょう。
溶連菌感染症の再発防止に注意する
溶連菌感染症は、一度かかると免疫がつくものではなく、繰り返しかかることがあります。
また、子どもだけでなく大人にも感染するため、子どもが溶連菌感染症になったら感染予防をしっかりと行いましょう。
溶連菌は、クシャミや咳などによる「飛沫感染」をすることがあります。
そのため、うがいや手洗いはもちろんのこと、マスクもしっかりと着用するようにしましょう。
また、ご飯のおかずを一つの皿で盛り付けて食べている家庭は、完治するまで別皿に取り分けて感染の防止を心がけてください。
まとめ
この記事はいかがでしたか?
今回は、「溶連菌感染症」について紹介しました。
今後も溶連菌感染症が広がることも考えられるので、ニュースなどで情報収集しながら予防対策をしてくださいね。