退職後、一番に不安を感じるのは収入面ですよね。
雇用保険の手続きを行えば、生活や再就職用の出費にも少しゆとりが生まれます。
今回は、退職後に役立つハローワークで雇用保険の手続きをする方法について、分かりやすく解説していきます。
雇用保険とは?
雇用保険とは、失業し所得が得られない場合に支給される保険のことです。
仕事が無くなってしまった時、次の仕事が決まるまでの間、生活を支える公的な保険のようなものです。
雇用保険は労働者の権利を守るための制度で、労働者を雇用する企業に対して、強制的に適用されている仕組みとなっています。
雇用保険があることで、失業中でも一定の生活の安定を図ることが可能となります。
また雇用保険は、再就職を促す役割も果たしています。
求職活動はスーツなどの服装を揃える必要もありますし、交通費もかかります。
求職期間中の生活費も考えておかなければなりません。
そのような時に経済的な安定を図る雇用保険は、精神的にも経済的にも求職活動を後押しします。
失業者がより負担を感じずに新たな職に就くためには必要不可欠な制度といえます。
在職中に雇用保険被保険者証を用意する
雇用保険や転職の手続きには、雇用保険被保険者証が必要です。
企業や団体に属して働いていた労働者に発行されます証明書のことです。
雇用保険被保険者証をハローワークで提示することで、自分が雇用保険の加入者であることが証明できるのです。
雇用保険被保険者証は本人が手続きをして発行されるものではなく、自分が所属していた会社で行われることがほとんどなので、その存在を退職するまで知らなかったという方もいます。
基本的には本人には渡されずに紛失されないように会社で管理されます。
退職の際に、会社から本人に手渡されます。
雇用保険は再就職後の会社でも適応される書類なので、退職日が確定している時点で、在雇用保険被保険者証が欲しい旨を伝えておくと安心です。
雇用保険被保険者証は基本的にハローワークから企業へ交付され、その後は紛失しないように、従業員が退職するまで会社側が預っているケースがほとんどです。
そのため、退職時に渡されることが多いですが、すでに退職している場合でも問い合わせをして、郵送してもらいましょう。
管轄のハローワークで雇用保険受給の手続きをする
必要な種類と持ち物
雇用保険を受給するための手続きには、必要な書類や持ち物がいくつかあるので、抜けることがないよう準備をしっかり行ってハローワークで手続きを行いましょう。
- 雇用保険被保険者離職票[1]
- 雇用保険被保険者離職票[2]
- 雇用保険被保険者証
- 個人番号確認書類
雇用保険被保険者離職票は、会社を退職して約10日後に郵送されます。
離職票の[1]と[2]は2枚組になっていて、2つとも提出するので忘れずに持参します。
届いた時に2枚組になっているかどうか念のため確認しましょう。
書類と同様に、雇用保険の手続きには必要な持ち物もいくつかあります。
- 身分証明書
- 写真2枚(3ヶ月以内に撮影したもの。縦3㎝、横2.5㎝)
- 個人番号確認書類
- 印鑑
- 本人名義の貯金通帳、またはキャッシュカード
以上の持ち物も同様に必要なので、雇用保険の手続きをする際には忘れずに持参するようにしましょう。
求職申し込みの手続き方法
退職後に必要書類と持ち物を持参してハローワークへ行きます。
ハローワークでしか用意できない書類もあるので、手続きを進める前に準備するようにしましょう。
- 求職申込書
- ハローワークカード
- 雇用保険受給資格者のしおり
- 雇用保険受給資格者証
- 失業保険認定申告書
このうちの「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」は雇用保険の手続き前に出席する「雇用保険説明会」でもらいます。
それ以外の書類はハローワークに行った初日にもらうことができるので、忘れずに受け取りましょう。
雇用保険被保険者離職票は、場合によっては郵送されないこともあるので、その際は会社に直接取りに行って用意します。
雇用保険の手続きには欠かせない書類なので、忘れずに用意しましょう。
離職票の提出方法
離職する旨を会社に伝えると、後日離職証明書が渡されます。
その書類に氏名や捺印をして、記載されている離職理由や雇用期間に誤りがないかどうか確認しましょう。
なかでも特に注視すべき点は離職理由です。
会社の都合による離職にも関わらず、離職者自身に原因があるような記載がされていると、雇用保険の受給期間も短くなってしまうため注意が必要です。
万が一誤った記載がされている場合は、すぐに退職した会社に問い合わせるようにしましょう。
雇用保険受給者の初回説明会に参加する
雇用保険を受給の手続きでは、雇用保険受給者向けの説明会に参加する必要があります。
必要な書類を提出すると、1~2週間後に雇用保険受給の希望者を対象に開催されている説明会の案内がくるので、指定日に必ず出席しましょう。
説明会の当日の持参物は、印鑑と筆記用具、ハローワークでの求職の申込時に渡された「雇用保険受給資格者のしおり」です。
説明会の時間は2時間から2時間半ですが、出席しないと、失業認定の指示を得ることができないため注意が必要です。
説明会では、雇用保険の受給方法の詳しい説明を受けることができますし、手続きに必要な書類を改めて受け取ることができます。
説明会に参加しないともらえない書類もあるので、必ず参加するようにしましょう。
また、失業認定日もこの時に教えてもらえるので、忘れないようにしっかりと控えておくことが大切です。
求職活動をする
雇用保険を受給するためには、求職活動をして、それがハローワークに認められなければなりません。
どのような活動が求職活動にあたるのかは、雇用保険説明会で説明がされるので、しっかり聞いておくことが大切です。
求職活動として該当するのは、主に求人の応募や職業相談をはじめ、ハローワークが主催している就職支援セミナーへの参加や個別相談ができる企業説明会への参加、資格取得などです。
失業の認定を受ける
失業の認定は4週間に1度おこなわれる
雇用保険を受給するためには、4週間に1回失業の認定を受けなければなりません。
指定日に、説明会で渡された書類に現在の求職活動の状況を書き、雇用保険資格者証と一緒に提出しましょう。
病気やケガなど、やむを得ない事情で行けない場合は、証明書や領収書を提出することで延期することも可能です。
認定日を忘れていた、または私用で行けなかった場合は、4週間分は不認定という形になります。
その期間、保険料を受給することはできませんが、離職してから1年間の受給期間内であれば、繰り越し手続きをすることで結果的に受給できます。
失業認定の注意点
雇用保険の手続きには必要な書類がいくつかあります。
それらの書類をしっかりと準備することが大切です。
万が一、準備の段階で用意できていない書類がある場合は、早い段階で前職の会社に問い合わせるなどの対応をとりましょう。
雇用保険の受給手続きでは、受給者を対象とした説明会への参加と、ハローワークへ持参する書類のことはとても重要なので漏れがないようにしましょう。
離職後の生活を安定させるためにも、私用で行けなかった、すっかり忘れてしまっていた、などということがないよう、スケジュール表にハローワークに行くべき日を記入しておくなど工夫することが大切です。
雇用保険の受給開始時期
雇用保険の受給開始時期は、会社都合か自己都合かによって異なります。
人事整理、定年など、会社の都合で退職する場合は、求職申込みを行い、待期期間が終了した8日目から雇用保険の受給が可能なので、そのように職員に伝えましょう。
自己都合による退職の場合は、待期期間の7日間プラス、納付制限期間が3ヶ月設けられます。
実際に雇用保険を受給できるのはその期間を満了後となりますが、正当な理由がある場合、自己都合の退職でもすぐに受給できる場合もあります。
自分が該当するかどうか確認したい方は、最寄りのハローワークで相談をしてみてください。
まとめ
雇用保険の手続きは少し手間がかかりますが、必要書類を揃えて、認定日にハローワークに行って手続きをするようにすればそれほど面倒ではありません。
退職をする場合は、必要書類をあらかじめ確認し、滞りなく手続きができるよう準備をしておくことが大切です。