今は一人に1台、パソコンやスマートフォンを持っていて当たり前になってきています。
朝も昼も夜も、仕事場や家でもパソコンやスマートフォンを使用している人も多いはずです。
特に仕事場でパソコンを使って働いている人は、夕方頃になると急に眼精疲労が酷くなる夕方老眼が広まっています。
今回は、夕方老眼の原因と予防対策についてご紹介します。
夕方老眼とは
パソコンやスマートフォンなど仕事中に酷使していると、朝は目の調子が良かったのが徐々に目の疲労が蓄積されて、夕方には疲労困憊状態になり、老眼のようにピント調節機能が上手く働かないことを「夕方老眼」と呼ばれています。
「あだち眼科」の聞き取り調査によると、80%以上の男女が夕方18時以降に目の疲れを感じやすいと回答したそうです。
また、90%以上の人がパソコンやスマートフォンによる作業によって眼精疲労が引き起こされて疲れを感じているといわれています。
夕方老眼の主な症状としては
- 夕方近くになると、近くの文字が見にくくなる
- 夕方近くになると、目に疲れを感じて全体がぼやけて見える
- 夕方近くになると、必ず頭痛または肩こりを感じてしまう
になることが多いようです。
週末老眼も存在する
夕方老眼の他に「週末老眼」と呼ばれるものもあります。
月曜日は目の疲れがなく調子がいいのですが、日に日に疲労が蓄積して金曜日には、文字がぼやけて見える症状の人は、週末老眼の可能性が高いです。
原因は夕方老眼と同じで、1日の後半で疲労が溜まるか、1週間かけて徐々に疲労が蓄積されるのかの違いだけです。
夕方老眼・週末老眼かどうかチェックしてみよう
意外と、夕方老眼や週末老眼に気付かず、単なる眼精疲労と思っている人も多いです。
下記に夕方老眼や週末老眼になっていないかのチェック項目を記載したので確認してみてください。
- 普段は何でもないのに、週末や夕方になるとものが見えづらい
- 1日7時間以上、パソコンやスマホ、タブレットなどを見ている
- 週末や夕方になると、近くのものがかすんで見えることがある
- 価格表や説明書など、文字が小さく感じることがある
- 週末や夕方になると目に痛みや重みを感じやすくなる
- 週末や夕方になると目が乾きやすい
引用元: サワイ健康推進課
上記で2つ以上、当てはまる項目があった場合、夕方老眼になっている可能性があるので、下記の原因と予防対策の記事を参考にして夕方老眼や週末老眼を解消してください。
夕方老眼になってしまう原因
目のピント調節は水晶体と毛様体筋よって調節されます。
水晶体はいわゆるレンズの役割をしており、厚さを変えることで近くのものや遠くのものまでピントを合わすことができるのです。その水晶体の厚さを変えているのが毛様体筋です。
毛様体筋は、その名の通り目の筋肉で、毛様体筋が伸縮することで水晶体の厚さ調整をしています。
朝は、睡眠によって目の疲労が回復しているので、目に違和感を感じませんが、仕事でパソコンやスマートフォンを使ってずっと作業をしていると疲労が蓄積し、夕方を過ぎるころには毛様体筋が凝り固まります。
そうなると、ピント調節機能が低下するのでパソコンの文字がぼやけてみえたり、眼精疲労が強く感じるようになってしまうわけです。
夕方老眼は年齢に関係なく起こるので若い人でも注意が必要です。
パソコン画面やスマートフォンを近くで見続けてしまう
目に負担が掛かっている理由として、
「デジタル機器が目に負担をかけるから 」
「長時間パソコンを使い続けているから」
などは、今では認識している人が多くなってきました。
しかし、もうひとつ目に大きく負担をかける原因として「目と対象物の距離」も大きな影響を及ぼすのです。
下記は対象物と目の距離についてまとめたものです。
- テレビ:1.5~4m
- 本や新聞、雑誌:30cm
- ノートPCやタブレット:50cm
- スマートフォン:15cm
と、一昔前であれば、テレビや本といった2種類の対象物に対してピントを合わせることが多く、目のピント調節も2種類で十分でした。
しかし、デジタル器具が普及している現代においては、15cm~4mまでの距離をくまなくピント調節して合わせたり、文字の情報量も多くなり、文字を読む数も同時に増えてきます。
とくに、パソコンやスマートフォンを良く使用する人は、近くの文字情報などを読み取っているので、目の筋肉が常に緊張状態になって、眼精疲労が溜まりやすくなっているのです。
ドライアイ
ドライアイも仕事場でパソコンが普及している現代では、なりやすい環境になっています。
ドライアイと聞いても自分にはあまり関係ないと思っている人が多いかと思いますが、オフィスでパソコン作業をしている人ほど注意が必要です。
オフィスではエアコン調整が自分で行うことができず、乾燥しやすい環境になっています。
また、パソコンの作業中では、集中しているので瞬きする回数が減り、涙が減り夕方にはドライアイに近い症状になってしまうこともあります。
涙が十分に瞳にないと、周りがハッキリと見ることができなくなり、朝は見えていたのが、夕方は見づらいという症状が起きてしまうのです。
ブルーライトを浴び続けてしまっている
ブルーライトは太陽光や蛍光灯からも発せられています。しかし、デジタル機器が増えたことによって、ブルーライトを浴びる機会が多くなりました。
ブルーライトの波長は短く、目が眩しさやチラつきを感じやするくなります。
また、ブルーライトは他の光よりも強いため、水晶体の奥にある網膜まで届いてしまうので、目がとても疲れやすくなってしまうのです。
夕方老眼・週末老眼の予防と対策方法
夕方老眼や週末老眼は、一時的に起きている症状なので、適切な予防と対策を取ることができます。
それにより、目に対する負担の軽減や眼精疲労の解消をしっかりと行うことで、悪化を防止することが可能です。
目を温める
夕方老眼に最も効果的な対策が、目を温めることです。
夕方老眼の主な原因は目の筋肉が疲労しているからなので、その筋肉をほぐしてあげるには、目を温めてあげるのが有効です。
約40度の蒸しタオルを目元に当てて、10分間リラックスできる体勢でいることで、目の筋肉の緊張が解消されていきます。
また涙の乾きを防ぐマイボーム腺から分泌される脂も、目を温めることによって、マイボーム腺に詰まっていた脂が溶けて、再び分泌しやすくなります。
その結果、目のショボショボ感や目のカスミも解消されるので一石二鳥の効果があります。
目を温める行為はドライアイにも有効なので、時間を見つけて目を温めるようにしましょう。
目のトレーニングをする
目のトレーニングをすることで、水晶体の厚さを調節する毛様体筋を鍛えることができます。
毛様体筋を鍛えることで、眼精疲労になりにくい体質へと変えてくれます。
目のトレーニングは、筋トレと同じく続けていくことが大切なので上手く生活に取り入れるようにしましょう。
目のトレーニング方法については「老眼トレーニングで効果が実感できる3つの方法」の記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。
パソコンとの距離を離す
仕事場でパソコンを使用している人は、パソコンモニターと目の距離を50cm以上離すようにしましょう。
近い物を見るほど、毛様体筋が使用され緊張状態が続くので、少しでもその負担を軽減する効果が期待できます。
また、ブルーライトカットメガネやモニターに直接張るブルーライトフィルターを使い、ブルーライトを浴びる量を減らすことができるので、試して見てください。
デスクに簡易的な加湿器を置く
目が乾燥して眼精疲労になってしまう人は、作業デスクに簡易的な加湿器を置くと目の乾燥を防ぐ事ができます。
コップに水を溜めて置いておくだけでも加湿効果はありますが、加湿を促す紙やUSBで動作する加湿機など販売されているので、それらを使用するとさらに効果的です。
また、目の乾燥は瞬きの回数が減っていることも原因の1つなので、意識的に瞬きをするようにしましょう。
まとめ
夕方老眼や週末老眼は、パソコンやスマートフォンを使って仕事をしている人に多い症状です。
それに気付かないまま過ごしていたり、気になっているけど、そのまま放置している人もいるでしょう。
そのまま放置していると、次第に老眼になってしまうこともあります
この記事を読んで、少しでも夕方老眼の予防対策にお役に立てたら幸いです。
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