健康診断などの結果で、脂質異常症と診断されて驚いた方もいるのではないでしょうか?
昨年は全く問題がなくても、ちょっとした生活習慣の乱れなどで脂質異常症になることもあるのです。
実は脂質異常症は潜在患者を含めると2,200万人もいるといわれています。
この記事では、 そんな脂質異常症を改善する第一歩として、すぐに実践できる食事療法について紹介していきます。
脂質異常症とは?
脂質異常症とは、血液に含まれる脂質のバランスが悪くなる状態のことです。
血液中に含まれる脂質は以下の4つとなります。
- コレステロール
- 中性脂肪
- リン脂質
- 遊離脂肪酸
そして、脂質異常症に関係してくるものが「コレステロール」と「中性脂肪」です。
この2つの脂質バランスを検査することで脂質異常症かどうかを判断しています。
血中脂質のバランスが悪い3つの状態
血中脂質のバランスが悪い状態は次の3つとなります。
- LDLコレステロール値が高すぎる「高LDLコレステロール血症」
- HDLコレステロール値が低すぎる「低HDLコレステロール血症」
- 中性脂肪値が高すぎる「高中性脂肪血症」
これら3つのうち1つでも健康診断などで発見された場合、脂質異常症と判断されます。
脂質異常症を改善する食事療法ポイント
脂質異常症を改善するには食事療法が効果的です。
なぜなら、中性脂肪とコレステロールは食事による影響を受けやすいのです。
ですから、体重をコントールして、肥満を予防することが脂質異常症を改善する近道となります。
食事療法による重要なポイントは次の通りです。
- 1日の摂取カロリーを適切にする
- 栄養バランスのよい食事をする
- タンパク質を摂取する
- 動物性脂肪をとりすぎないようにする
- 青魚を積極的に食べる
- 食物繊維をたくさん摂取する
- 糖質制限をする
- 塩分をとりすぎないようにする
- アルコールを控える
- 食習慣を見直す
ここにあげたポイントをしっかりとおさえることが脂質異常症を改善するのに欠かせないので、しっかりと意識しておこなうようにしましょう。
次に、これらの食事療法による詳しい内容について解説していきます。
1.1日の摂取カロリーを適切にする
体重のコントールは、脂肪異常症を改善する食事療法の基本となります。
そのため、食べ過ぎを防ぎ体重を管理するために1日の摂取カロリーを把握する必要があります。
なぜなら、感覚で食事制限するよりも確実にコントロールしやすく、カロリーに対する意識が高まるからです。
摂取カロリーの算出方法
1日の摂取カロリーを知るには「日本医師会 」が提供している「1日に必要な推定エネルギー必要量」算出ツールを利用すると簡単に把握できます。
⇒日本医師会:1日に必要な推定エネルギー必要量はこちら
※飛び先ページの一番下に算出ツールがあります
1日に必要なカロリーを把握したら、次に1日のカロリーを3で割って1食あたりのカロリーを算出しましょう。
この導き出されたカロリーが1食にとっていいカロリーの上限となるので、スマホのメモ機能や手帳に書き記しておくと、いつでも確認できるようにしておくと便利なのでオススメです。
また、肥満体質の方はまず3~5%の体重減少を目標に取り組みましょう。
仮に体重70kgであれば2~3kg減らすことを目標にします。
「肥満」とされる基準ですが、標準体重を10%以上超えている場合をいいます。
身長(m)×身長(m)×22
たとえば、身長170cmの方の場合は、1.7×1.7×22となり、標準体重が約63.6kgとなります。
食事を食べ過ぎないコツ
ついつい食べ物をお腹いっぱいに食べてしまう方は、次の食事コントロールを心がけるようにしてみてください。
腹八分目に抑える
食事を食べ過ぎない一番のポイントは、お腹をいっぱいにしないことです。
腹八分目(もう少し食べたいと思うところ)で食事を終えるようにしましょう。
はじめは辛いかもしれませんが、2~3週間程度で慣れてきます。
また、1品1品意識しながら食べることで、満腹でなくても満足感を得ることができます。
一人分の盛り付けにする
家族で食事をする場合、おかずを大皿で盛り付けることが多いですが、自分が食べた量を把握することができません。
まずは、自分用として1食分を小皿に取り分けて、食べる量をコントロールしましょう。
そうすることで、必要以上に食べることをを防ぐことができます。
少量ずつ食べる
食べ物の一口分が多いと、「満腹中枢」があまり刺激されず、お腹が満たされにくくなります。
満腹中枢とは、脳の視床下部にあり、咀嚼(そしゃく)などの刺激を受けることで、食事行動を抑制する働きがあるのです。
そのため、満腹中枢に一定以上の刺激が加わると「お腹が満たされたよ」という信号が発信されることで、満腹感を感じるのです。
満腹中枢の刺激を多く与えるために、少量ずつゆっくりと食べる事で適度な満腹感を得られ、食べ過ぎを防ぐ効果があります。
野菜や汁物を先に食べる
食事のときに、食べる順番を野菜や汁物といったものを先に食べることで、早めに満腹感を得ることで、ごはんなど「炭水化物」の摂取量を抑制することができます。
また、野菜に含まれる「食物繊維」によって、あとから食べた炭水化物や脂肪の急激な吸収を抑制する効果もあります。
味付けを薄味にする
濃いおかずは、塩分のとりすぎに加え、ご飯がすすんでしまう原因につながります。
濃い味に慣れてしまっている方は、少しずつ薄味にして舌を慣らしていくことで、物足りなさが軽減されていきます。
漬け物や佃煮は食卓に置かない
家族で食事をしている方など、食卓に漬け物や佃煮など置かれている家庭もあるかと思います。
このようなおかずは、ついつい手が伸び、ご飯が進む原因になるので可能であれば食卓に出さないようにしましょう。
どうしても、家族優先となってしまう場合は、自分専用のお盆を用意して、お盆にある食事以外には手を出さないよう工夫するのもひとつの方法です。
ご飯茶碗をひとまわり小さなものに変える
通常のご飯茶碗に少量のご飯を盛ると物足りなさを感じて、ついおかわりしてしまうことがあります。
一番簡単な方法として、ひとまわり小さめのご飯茶碗に変えてあげると見た目も少なく見えず効果的です。
しばらく続けていると、小さな茶碗でも満足できるようになってきます。
2.栄養バランスのよい食事をする
脂質異常症を改善するために、極端な食事制限や糖質制限をおこなうと、体に必要な栄養素が不足してしまい、逆に不健康になってしまう可能性があります。
脂質異常症を改善するための食事療法は、栄養バランスのよい食事が原則です。
では、適切な栄養バランスと聞いて、体に必要な栄養素って何だかご存じですか?
体の健康維持に必要な栄養素は5つあります。
- 炭水化物(糖質)
- タンパク質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
この5大栄養素に「食物繊維」をプラスした6つの栄養素を毎日バランスよくとることが重要です。
炭水化物、タンパク質、脂質は、体のエネルギー源として必要な3大栄養素となります。
この3つの栄養バランスには摂取目安があり、炭水化物が約60%、タンパク質が約15%、脂質が約25%のバランスが理想的な栄養バランスです。
また、ビタミンやミネラル、食物繊維は、体の調子を整える作用があるのです。
炭水化物(糖質)
炭水化物(糖質)は、穀物などに多く含まれている栄養素です。
糖質1gに対して4kcalのエネルギーを生み出します。
炭水化物は主にエネルギー源として利用されるため、摂取後の分解と吸収のスピードが早いです。
エネルギーは生命維持のために必要不可欠なので、不足しすぎると筋肉量の低下を招くため適量を摂取するようにしましょう。
タンパク質
タンパク質は、肉や魚、大豆などに含まれている栄養素です。
タンパク質1gに対して4kcalのエネルギーを生み出します。
タンパク質は主に筋肉や内臓、皮膚、髪、爪、血液など体を作る構成成分の主材料となります。
脂質
脂質は肉や魚、油脂、種実類に含まれている栄養素です。
脂質1gに対して9kcalのエネルギーを生み出します。
また、脂質には脂肪膜の主要な構成成分であり、エネルギーを蓄える役割があるのです。
動物性脂肪に含まれる「飽和脂肪酸」を過剰にとるとLDLコレステロールや中性脂肪を増やす原因となります。
逆に、青魚に多く含まれるオメガ3(n-3系)の「多価不飽和脂肪酸」は血圧やLDLコレステロールを減らす働きがあるので、積極的に摂りたい脂質となります。
ビタミン・ミネラル・食物繊維
ビタミン、ミネラル、食物繊維は、野菜などに多く含まれている栄養素です。
ビタミンは、体内でタンパク質や脂質、糖質の働きを活性化させる働きがあります。
そしてミネラルには、骨や歯を作ったり、体液や神経の調節を行う働きがあるのです。
食物繊維は、体内に蓄積された余分なものを体外へ排出する働きがあります。
3大栄養素にこれらの栄養素を加えることで栄養バランスが整うようになってくるのです。
3.タンパク質を摂取する
タンパク質は、体を構成する材料以外にも、ホルモンや酵素にもなる重要な栄養素です。
毎日消費するエネルギーの中で、消費の割合が一番大きいのが「基礎代謝」です。
基礎代謝とは、何もしなくても、体温維持や呼吸、血液循環などの生命活動のために必要なエネルギーのことをいいます。
筋肉が増えることで基礎代謝が高めることができます。
つまり、タンパク質を十分にとって筋肉量が増えると、基礎代謝が高まってエネルギーの消費量が上がるのです。
その結果、内臓脂肪の蓄積を抑え、太りにくい体質になります。
また、タンパク質は「単純タンパク質」「複合タンパク質」「誘導タンパク質」の3つに分類されます。
タンパク質の種類 | 特徴 | 含まれている食品 |
単純タンパク質 | アミノ酸だけで構成されたもの | 牛乳 卵黄 大豆 小麦 など |
複合タンパク質 | アミノ酸とその他の物質が結合されたもの | 長いも 牛乳 卵黄 など |
誘導タンパク質 | タンパク質に熱や酸、酵素などが加わり変化したもの | ゼラチン など |
食事から摂取されるタンパク質は、たくさん摂っても余分なものは不必要とされ排出されてしまいます。
排出されるさい、腎臓で一度濾過されるため、過剰に摂取すると腎臓に負荷が掛かってしまうのです。
とくに、動物性タンパク質を過剰摂取しすぎると「骨粗鬆症」のリスクが上がるといわれているので注意しましょう。
理想的な配分は、動物性と植物性タンパク質を1:1となります。
タンパク質は量をたくさんとるよりも、良質なタンパク質をとることが大切なポイントです。
4.動物性脂肪をとりすぎないようにする
脂質は3大栄養素のひとつですが、動物性脂肪のとりすぎには注意が必要です。
脂肪には種類があり、その種類は脂肪に含まれる「脂肪酸」によって決まります。
動物性脂肪は「飽和脂肪酸」に分けられ、とりすぎるとLDLコレステロールを上昇させてしまうのです。
脂質をとる場合はなるべく良質なものをとることが重要となってきます。
脂肪酸の種類
脂肪酸は、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分けられます。
また、不飽和脂肪酸は、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分かれるのです。
さらに、多価不飽和脂肪酸は「n-6系」と「n-3系」に分類されます。

脂肪酸の種類と働き
脂肪酸の働き
各脂肪酸の働きには次の特徴があります。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、ヤシ油やパーム油など一部の植物油、肉の脂身などの動物性脂肪、ソーセージなどの加工食品、生クリームなどの乳製品に多く含まれています。
飽和脂肪酸には、コレステロールの材料となり、作られたコレステロールは細胞膜やホルモンなどの材料になるのです。
しかし、飽和脂肪酸を過剰にとりすぎると、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールを増やしてしまう原因となるので注意しましょう。
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は、青魚や植物油などに多く含まれています。
飽和脂肪酸とは逆に、LDLコレステロールを減らす働きがあります。
そのため、脂質異常症の方は、飽和脂肪酸を多く含む食べ物を控え、不飽和脂肪酸を含む食べ物を積極的にとることが大切です。
一価不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸は、オリーブオイルなどに多く含まれています。
抗酸化作用があり、動脈硬化を促進する過酸化脂質を抑えてくれる特徴があります。
しかし、過剰にとりすぎると肥満の原因につながるので注意しましょう。
多価不飽和脂肪酸:n-6系
n-6系の多価不飽和脂肪酸は、レバーなどの肉類に多く含まれています。
血液中のLDLコレステロールを減少させる働きがあります。
しかし、過剰にとりすぎると善玉と呼ばれるHDLコレステロールまでも減少させてしまうので注意しましょう。
多価不飽和脂肪酸:n-3系
n-3系の多価不飽和脂肪酸は、青魚やえごまに多く含まれています。
血液中のLDLコレステロールと中性脂肪を減少させる働きがあります。
さらに、HDLコレステロールを増やしてくれる作用もあるのです。
脂肪酸はバランスよくとることが大切
脂肪酸は種類によって働き方がそれぞれ異なっています。
そのため、1種類だけを偏ってとるのではなく、各脂肪酸をバランス良くとることが大切です。
上手に脂肪酸を日常生活の中でとるよう心がけていきましょう。
5.青魚を積極的に食べる
新鮮な青魚には、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」が豊富に含まれています。
DHAやEPAには、血管をしなやかにし、動脈硬化を予防する作用があります。
また、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らす働きもあるのです。
しかし、DHAとEPAは熱に弱く酸化しやすい特性があるので、抗酸化作用のある食べ物と一緒にとったり、なるべく刺身で食べるのがオススメです。
特に、「いわし」「さば」「さんま」「ぶり」「まぐろ」はDHAやEPAが豊富なので積極的に食べるようにするといいでしょう。
6.食物繊維をたくさん摂取する
食物繊維には、コレステロールの吸収を抑える働きと排出を促す働きがあります。
また、炭水化物(糖質)の急な吸収も抑えてくれる作用もあるのです。
食物繊維は2種類存在する
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。
水溶性食物繊維は、ゼリー状で水に溶けやすい食物繊維で、LDLコレステロールを減らす効果が高いのです。
不溶性食物繊維にも、排泄の量を増やし腸の働きを活性化する働きがあります。
そのため、脂肪やLDLコレステロールが腸内に長時間とどまるのを予防し、中性脂肪やLDLコレステロールを下げてくれる作用があるのです。
食物繊維は水溶性も不溶性も多く摂取するのがポイント
食物繊維は、どちらのタイプもたくさんとることが大切です。
水溶性食物繊維を含む食べ物は、海藻類や野菜類、果物に多く含まれています。
不溶性食物繊維を含む食べ物は、豆類やいも類、きのこ類に穀物などに多く含まれていますので意識してとるようにしましょう。
1日に摂取する食物繊維の目安量ですが、日本動脈硬化学会によると1日25g以上とることを推奨しています。
たとえば、野菜を350g以上、果物を200g、いも類を100g程度食べると1日に必要な食物繊維が摂取できます。
7.糖質制限をする
炭水化物(糖質)は、体内に吸収されるとブドウ糖に分解されてエネルギー源として活用されます。
しかし、糖質を過剰に摂取しすぎるとエネルギーを使い切ることができず、余った分は脂肪酸へと変化して、中性脂肪が合成されてしまうのです。
そのため、糖質をとりすぎると「高中性脂肪血症」や「肥満」、「糖尿病」を引き起こす原因になってしまうので注意しましょう。
糖質は3種類存在する
糖質の種類は、「単糖類」「二糖類」「多糖類」の3種類があります。
特に注意したい糖質が、単糖類と二糖類です。
この2種類は小腸への吸収速度が速く、余った分が中性脂肪へと変わりやすい性質があるからです。
単糖類は主に、果物や蜂蜜などに含まれ、二糖類は砂糖や麦芽糖、乳糖などに含まれ、ケーキやアイス、ジュースなどには必ずといっていいほど含まれているので控えるようにしましょう。
多糖類は、穀物やいも類などに含まれ、比較的ゆっくりとブドウ糖に分解されるため、吸収もゆっくりと進みます。
先に食物繊維の豊富な野菜を食べたり、食後の中性脂肪を抑える黒烏龍茶などと一緒に食事をする方法も糖質の吸収を抑えるのに有効です。
8.塩分をとりすぎないようにする
塩分をとりすぎると、「高血圧」を引き起こす原因になります。
そして、脂質異常症と高血圧が併発すると動脈硬化をよりいっそう促進してしまうので、高血圧予防として塩分も極力減らすよう食事コントロールをする必要があるのです。
厚生労働省が推奨する食塩の摂取量は、男性8g未満、女性7g未満となっています。
塩分を控えるコツは時間をかけて薄味になれること
味の濃いものや、外食、加工食品などは塩分が多く含まれており、食品ごとに塩分量を把握していないとコントロールすることが難しいのも事実です。
ですから、まずは少しずつ塩分の多いものを減らし、家庭料理でも徐々に薄味へと変えていき慣れていくよう時間をかけておこないましょう。
塩分のとりすぎを防ぐ10のコツ
塩分を控えるには、調理方法を工夫することで薄味でも美味しく食べることができます。
また、次のようなコツでも塩分を控えることが可能です。
- 出汁の旨みを活用する
- 酢や柑橘類の酸味を生かす
- 香味野菜を使用する
- スパイスなどで下味を付けて調理をする
- 減塩タイプの調味料を使用する
- 旬の季節野菜や新鮮な食材を使用し素材そのものの味を楽しむ
- なるべく加工食品の使用を控える
- ラーメンやソバの汁を全部飲まない
- みそ汁は1日1杯だけにする
- 醤油やソースは直接食材にかけず、つけて食べるようにする
9.アルコールを控える
アルコールは、体内での中性脂肪の合成を促すため、飲み過ぎてしまうと中性脂肪が増加し肥満につながってしまいます。
また、お酒を飲むと食欲が増して食べ過ぎてしまうことも。
特に高中性脂肪血症は、禁酒またはごく少量をたしなむ程度にしましょう。
アルコールの適量は酒精量25g以下が目安
日本動脈硬化学会のガイドラインによると、1日のアルコール(酒精 )摂取量を25g以下に抑えるとされています。
たとえば、日本酒なら約1合、ビールだと中瓶1本、ウイスキーならダブル1杯、ワインならグラス2杯が目安です。
また、肝臓への負担を減らす為にも、週2日以上は休肝日を設けるようにしましょう。
- あらかじめ飲む量を決める
- 飲む前に水やお茶を飲む
- 空腹時に飲まず食後に飲む
- つきあいでの飲む機会を減らす
- 強いお酒は水やお湯割で飲む
- 時間をかけてゆっくり飲む
10.食習慣を見直す
食生活や食行動など食事習慣を規則正しくするだけでも、脂質異常症の改善にとても効果的です。
まずは、あなたができることから初めて少しずつ数を増やし、習慣化するようにしていきましょう。
ゆっくりとよく噛んで食べる
ゆっくりとよく噛んで食べることで、「満腹中枢」に刺激を与え満腹感を得ることができます。
満腹中枢が満腹感を感じるまでには15~20分程度かかるのです。
そのため、早食いをしてしまうと、満腹感が感じられずつい食べ過ぎてしまう傾向にあります。
一口食べたら箸を置いて、食材の味をしっかりと堪能しならゆっくりと食べるように心がけましょう。
朝食を必ず食べる
朝食を抜くことで、体内では飢餓状態と誤認してしまい、次の食事でより多くの栄養素を吸収しようとします。
そのため、昼食で食べたものから多くの栄養素を過剰に吸収することで、中性脂肪が増加し肥満へとつながってしまうのです。
まずは、野菜ジュースやスムージーといった軽めのものでいいので、朝食は必ずとるようにしましょう。
和食中心の献立にする
和食は食事バランスが整いやすい献立です。
自宅で食べる食事もなるべく和食中心を心がけたり、昼食もジャンクフードなどは避けて和定食などを選ぶようにしましょう。
夕食は控えめにする
夕方以降は活動量が少なくなるので、夕食は控えめにするようにしましょう。
なぜなら、多くのエネルギーを摂取してしまうと余ったエネルギーが体脂肪へと蓄積されてしまうからです。
なるべくカロリーが低い食事を中心とした献立で済ませるのがベストです。
夜食を止める
夜遅くに食事をしたり、深夜に夜食を食べてしまうと、余ったエネルギーが中性脂肪になって蓄えられてしまいます。
また、食事をしたあとすぐに就寝すると、本来休養をとるはずの内臓器官が食べ物を消化するため、活動をしてしまうことで、自律神経が乱れ睡眠の質も落ちてしまいます。
夕食を食べ終えたあとは、読書など趣味の時間をつくり、心身共にリラックスした状態にしてから寝るようにするとベストです。
くれぐれも夜更かししないよう注意しましょう。
外食を控える
1食分の摂取カロリーを抑えるには、外食やインスタント食品の利用をなるべく控えるようにしましょう。
外食やインスタント食品には以外とカロリーが高く塩分も多めに含まれていることがあるので注意が必要です。
まとめ
すぐに実践できる脂質異常症の食事療法についてご紹介いたしました。
おそらく初めて実践するときは、少し大変な方法もあるかもしれませんが、2週間程度続けると習慣になりやすいといわれているので、まずは取り組みやすいものを1つ選んで2週間を目標に続けてみましょう。
この記事を読んで、少しでも脂質異常症の改善のお役に立てたら幸いです。
『患者のための最新医学 脂質異常症(コレステロールと中性脂肪)最新の食事療法』寺本民生監修(高橋書店)