ドライアイになっている人は約2,000万人いるといわれており、6人に1人はドライアイの症状に悩まされています。
そんな現代病ともいえるドライアイですが、ただ「目が乾く」病気ではないのです。
目の乾き以外にも、さまざまな症状を引き起こします。
この記事では、ドライアイが引き起こす症状について紹介していきます。
ドライアイが気になる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
ドライアイによる症状は1つだけではない
ドライアイというと、目が乾く病気だと思っている人が多くいます。
しかし、ドライアイには目が乾く症状の他に、目が重くなったり、痛みがあったりと、目の乾き以外の症状があらわれることもあるのです。
ドライアイによって引き起こされる多くの症状は、ここ最近の研究によってわかってきたのです。
そのため、眼科医の先生でもドライアイによる症状であると判断できないこともあります。
また、1つも眼科医院であまり改善がみられない場合は、セカンドオピニオンとしてドライアイ専門医などで再度診断してみることも重要となります。
そうすることで、最新治療が受けられたり、最新目薬を処方してもらえ、質の高い治療を受けることもできるのです。
まずは、ドライアイによってどのような症状があらわれるのか、自分自身でも知識を身につけて、正しい対処方法を見つけるようにしましょう。
ドライアイが引き起こす6つの症状
ドライアイの症状は、目が乾く以外にも、さまざまな症状を引き起こします。
次にあげる症状が、日頃から感じているようであれば、ドライアイの可能性も考えられるので、検査するようにしましょう。
1.周囲が見にくくなる
ドライアイになると、視力とは関係がない、見づらさが生じることがあります。
ドライアイによる視力の低下というべきもので、視力検査をしても1.0とか特に異常がないのが特徴です。
数値としてはハッキリと見えるはずなのに、見づらいと感じる場合は、ドライアイによる症状の可能性があります。
また、ドライアイによって目の表面が傷つき、光が散乱してしまうことがあります。
光が散乱すると、普段の明るさでも眩しく感じるようになるのです。
眩しさが数日間ずっと続くようであれば、ドライアイの可能もあるので、眼科で一度検査するようにしましょう。
2.痛みやゴロゴロとした感じがある
ドライアイになることで、目がゴロゴロしたり、痛みが生じることがあります。
目は体の中で外部に触れやすい臓器の一種です。
心臓や腎臓にように体の中で守られていないので、ホコリやゴミが入ったり、光や風による刺激が受けやすいのです。
このような刺激などから守ってくれるのが「涙」です。
涙は目の表面に絶えず流れることにより、目に入ったゴミを流したり、風や光などによる刺激から守る働きをしています。
ドライアイになってしまうと、涙が流れにくくなり防御能力が低下してしまうのです。
その結果、ゴミが入るとゴロゴロしたり、風が光による刺激で毎日小さい傷を絶えず目に作っている状況になってしまいます。
そして、最終的には痛みの症状があらわれてくるようになるのです。
そのため、目の乾きやゴロゴロ感を常に感じる場合は、ドライアイがかなり進行していると考えていいでしょう。
3.目が重かったり、かゆみが出る
ドライアイになると、目が重くなったり、疲れやかゆみが出ることがあります。
ドライアイの目は、表面が乾いており周りが見にくくなったりします。
それでも目はどうには視界を確保するために、毛様体筋という目の筋肉を使いピント合わせを必死に行っているのです。
毛様体筋以外にも、脳では少しぼやけた見えるものをはっきりと見えるよう調整をしています。
このような動作でドライアイによる症状をカバーし続けると、目や脳に疲労感を与えてしまう結果になってしまうのです。
その結果、目が重くなったり、目の奥が痛んだりするといった眼精疲労を引き起こします。
目のかゆみは、小さな傷による軽い痛みで生じることがあります。
たとえば、膝など軽い傷でかさぶたができるとかゆみが出る体験をしたことがあると思います。
これは痛みが弱いから起きる症状なのです。
そしてこの症状は目にも同じことがいえるのです。
また、花粉などのアレルギー症状も、ドライアイだと涙でアレルギー物質が流れないため、いつまでもとどまり続けて、普段以上にかゆみが生じることもあります。
例年よりも花粉の量が少なく、きちんと花粉対策をしているのに目のかゆみが激しい場合は、ドライアイが進行している可能性も考えられます。
4.頭痛や肩こり、肉体疲労が起きる
ドライアイにより頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。
毎日のように整体にいって肩こりの治療を受けても、肩こりが改善しない場合は、ドライアイを疑ってみては。
また全身の疲れがドライアイからきていることもあります。
外部の情報刺激のうち9割が目から得ているといわれています。
また、目の疲れというのは寝たからといって簡単にとれないものなのです。
毎日疲れが残るという人はドライアイの可能性も疑ってみましょう。
5.充血が起きる
ドライアイが酷くなると、充血がずっと残ることがあります。
ドライアイになると涙がないので、目に傷がつきやすくなります。
涙があることで傷を覆い、自然治癒力で治すことが可能ですが、ドライアイだとそれができません。
そのため、目の傷を修復するのに涙が使用できないので別の方法で修復しようとするのです。
その方法が、白目の血管から黒目に向かう血流を増やして栄養素を送り、修復するのです。
その結果、血管に流れる血液の量が多くなり白目の部分が充血してしまいます。
充血は傷を癒やすために起きているので、充血をとる以前に充血となる原因をきちんと治療しなけば意味がないのです。
まずは、ドライアイをしっかりと治し、そのあと充血を抑える治療を行うことでキレイな白目に戻る可能性が高くなります。
6.涙の質が低下する
涙が多く出ているのに、目がすぐ乾いてしまうのは、涙の質が低下している可能性があります。
ドライアイは必ずしも涙が乾燥して乾きやすいという症状の他に、涙が出るけどすぐ乾く症状のタイプも存在するのです。
涙の量があるけど乾燥してしまう場合は、涙の質を向上させる治療が必要になってきます。
涙の質が向上すると、適量の涙で目を守るようになり、目の健康を維持するようになってきます。
涙目だけど目が乾く人は、涙の質に注意して改善するようにしましょう。
ドライアイの症状チェック
ドライアイと診断されたり、目が乾きやすくドライアイかもしれないと感じている人は、どの程度ドライアイが進行しているのか気になるかと思います。
そこで、ここではドライアイの程度を調べる方法を紹介します。
まばたきを我慢する時間を計る
まばたきを我慢する時間の長さによって、ドライアイの程度を把握する方法です。
やり方はとても簡単です。
- 鏡に向かう
- 鏡に向かって大きく目を見開く
- その状態をキープして、何秒間我慢できるか計る
相手がいる場合は、秒数を計ってもらうとまばたき我慢チェックに集中することができます。
もし、1人で行う場合は、ストップウォッチやスマホのストップウォッチ機能を使って計りましょう。
まばたき我慢チェックの診断結果
我慢した秒数 | ドライアイの程度 |
---|---|
10秒未満 | ドライアイが強い状態 |
30秒未満 | ドライアイの疑いがあります |
30秒以上 | ドライアイの症状はありません |
このドライアイ判断チェックは、あくまでも参考程度となります。
ドライアイの人は、目が乾くのが早いため、まばたきを我慢するのがとても難しいのです。
涙で目が潤っている人は、30秒以上は我慢できます。
まとめ
この記事はいかがでしたか?
今回は、「ドライアイが引き起こす症状」について紹介しました。
ドライアイは、目の痛みや頭痛なども引き起こす原因にもなります。
ドライアイだからと軽く思うのではなく、早期に治療することで症状の悪化を防ぐことができます。
ドライアイかなと感じたら、早めに改善対策をするようにしましょう。
この記事を読んで、少しでもドライアイの判断にお役に立てたら幸いです。
【参考文献一覧】
『本当は怖いドライアイ』平松類著(時事通信社)
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