睡眠中に、突然ふくらはぎがつって痛みで目が覚めた経験ありませんか?
このふくらはぎ をつった状態が「こむら返り」です。
こむら返りの症状は、筋肉が痙攣することで起こるのです。
この記事では、こむら返りの原因について紹介していきます。
また、睡眠中などにこむら返りを起こさない予防対策についてもお伝えしていきます。
よくふくらはぎがつる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
こむら返り(ふくらはぎがつる)の原因とは
こむら返りが起こる主な原因は、筋肉への血流不足によるものです。
そのため、血液が筋肉よりも消化管へ流れてしまう食後の時間に起きやすくなります。
その他には、「カリウム」や「マグネシウム」などのミネラルが不足すると起きやすいです。
なぜなら、カリウムなどのミネラルが不足することで、血液中の電解質濃度が低くなるためです。
とくに血中カリウム濃度が低くなるのは、利尿薬の投与や脱水が原因で起きます。
ミネラルには筋肉の収縮運動を調整する役割があります。
ミネラルが不足すると、収縮運動の伝達が上手くいかずに筋肉に異常が生じるのです。
睡眠中にこむら返りが起こる理由
睡眠中に、ふくらはぎがつる理由として考えられているのが、冷えや寝汗などによる血流の低下です。
睡眠中は、血行不良が起きやすく、ふくらはぎがつりやすくなります。
また、夏場はエアコンを付けて寝たり、掛け布団など使用せずに睡眠をとると、筋肉が冷えやすくなります。
その結果、血液の流れが悪くなり、筋肉が収縮したり痙攣が起きてこむら返りが発症しやすくなるのです。
その他にも、運動不足や加齢による筋力の低下も原因のひとつです。
筋肉は血液の循環をサポートするポンプの働きがあります。
筋力が低下すると血液の循環が悪くなり、ミネラルなどの栄養素が全身に運ぶことが上手くいかなくなります。
そのため、睡眠中の血行不良と重なり、こむら返りの発症リスクが高まってしまうのです。
補足:「こむら」とは
こむらとは、「ふくらはぎ」という意味です。
こむらがひっくり返ったように感じることから、ふくらはぎがつることを「こむら返り」と呼ぶようになったといわれています。
こむら返りを予防する方法
こむら返りを予防するには、まず食事が大切です。
とくに、カリウムやカルシウムなどのミネラルと水分を含んだ食品とともに食べるのが理想的です。
カリウムは、日常的に食べる植物性食品に広く含まれている栄養素です。
とくに野菜類や果物類、いも類に多く含まれています。
- アボカド(1/2個中720mg)
- やまといも(100g中531mg)
- じゃがいも(100g中530mg)
- バナナ(1本中454mg)
- ほうれん草(50g中345mg)
そして、カリウムは水溶性の栄養素なので、なるべく生で食べると効率よく栄養素を摂ることができます。
また、熱を通すときは、汁物にすることでスープに溶けたカリウムを無駄なく摂取することも可能です。
カリウムの1日の摂取量
目安量 | 目標時 | |||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
0~5ヶ月 | 400mg | 400mg | - | - |
6~11ヶ月 | 700mg | 700mg | - | - |
1~2歳 | 900mg | 800mg | - | - |
3~5歳 | 1,100mg | 1,000mg | - | - |
6~7歳 | 1,300mg | 1,200mg | 1,800mg以上 | 1,800mg以上 |
8~9歳 | 1,600mg | 1,500mg | 2,000mg以上 | 2,000mg以上 |
10~11歳 | 1,900mg | 1,800mg | 2,000mg以上 | 2,000mg以上 |
12~14歳 | 2,400mg | 2,200mg | 2,600mg以上 | 2,400mg以上 |
15~17歳 | 2,800mg | 2,100mg | 3,000mg以上 | 2,600mg以上 |
18~29歳 | 2,500mg | 2,000mg | 3,000mg以上 | 2,600mg以上 |
30~49歳 | 2,500mg | 2,000mg | 3,000mg以上 | 2,600mg以上 |
50~69歳 | 2,500mg | 2,000mg | 3,000mg以上 | 2,600mg以上 |
70歳以上 | 2,500mg | 2,000mg | 3,000mg以上 | 2,600mg以上 |
妊婦 | × | 2,000mg | × | - |
授乳婦 | × | 2,200mg | × | - |
運動前や就寝前にストレッチをする
運動前や就寝前に軽いストレッチをすることで、就寝中のこむら返りを予防することができます。
ストレッチをすることで、筋肉と腱の柔軟性が高まります。
そのため、睡眠中に急に筋肉が収縮したり、痙攣を起こすリスクが減少するのです。
軽い運動をする
運動をしないと、筋肉の働きが鈍くなり、筋肉そのものが硬くなってしまいます。
筋肉トレーニングようなハードな運動をしなくて、ウォーキング程度の軽い運動だけで、筋肉に柔軟性が生まれ、血液の習慣もよくなります。
また、筋肉の低下も抑えるので、軽い運動を習慣化するようにしましょう。
運動後は、水分を多めにとることで痙攣の予防につながります。
とくに、カリウムが含まれている飲み物を飲むと効果抜群です。
- トマトジュース(200ml中520mg)
- 野菜ジュース(200ml中400mg)
- 無調整豆乳(200ml中380mg)
- 日本茶/玉露(100ml中340mg)
- 低脂肪牛乳(100ml中200mg)
- ヨーグルト飲料(110ml中143mg)
こむら返りが起きたときの対処法
こむら返りが起きたときは、ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)を伸ばすと改善されます。
腓腹筋 を伸ばすやり方は次の通りです。
- こむら返りが起きたつま先をつかみます
- つま先をすねの方へ、引き上げるようにストレッチをします
このストレッチを行うことで、こむら返りによる痛みが和らいできます。
まとめ
この記事はいかがでしたか?
今回は、「こむら返りの原因」について紹介しました。
こむら返りそのものは、重大な病気ではありません。
しかし症状によっては、睡眠や日常生活に支障をきたすこともあります。
こむら返りは、ほとんどの場合バランスの整った食生活を送ることで予防することが可能です。
ここで紹介した予防策を参考にして、こむら返りになりにくい体を手に入れてください。
この記事を読んで、少しでもこむら返り予防のお役に立てたら幸いです。
『健康管理する人が必ず知っておきたい栄養学の○と×』古畑公著、木村康一著、 岡村博貴著、 望月理恵子著 (誠文堂新光社)