2016年内で麻疹(はしか)に感染した患者数が2年ぶりの100人を超えたそうです。
特に大人が感染している数も増えているので、今後ますます注意が必要と言えるとでしょう。
まずは、病院で抗体検査を受けて感染しやすいか判断する必要があります。
今回は、麻疹の抗体検査数値による見方についてご紹介します。
抗体検査は3つのタイプがある
大人が麻疹抗体検査するには、「EIA法」「PA法 」「NT法 」の3つの方法があります。
※検査を受ける病院によって検査方法が異なります。
それぞれの特長は下記の通りです。
EIA法(素免疫測定法)
EIA法は、抗原抗体反応を利用した検査方法です。
酵素を標識物質と定め、主に呈色反応(発光する反応)の吸光度によって、微量物質の濃度を測定します。
EIA法では、感度もよく、結果報告も約3日間程度で済みます。
しかし費用が他の検査方法と比較すると高価の部類に入るのがデメリットといえるでしょう。
NT法(中和法)
NT法は、病原性を中和できたかどうかの反応を見て検査する方法です。
このNT法は、安価で行うことができ、信頼性も高いとされています。
ただし、この検査方法を行うには、少し高度な技能を必要とするため、結果が出るまで約10日~14日程度の長い時間がかかります。
PA法(人工担体凝集法)
PA法は、ゼラチンに病原体となる抗原を統合させたあと、患者の血清を反応させる検査方法です。
患者の血清中に対応する抗体があった場合は、凝集反応が起きます。
PA法による検査は感度がいいのですが、デメリットとして健康保険が適用されないそうです。
抗体検査結果の数値の見方
病院で麻疹の抗体検査を行えば、医師があなたの結果数値について説明してくれます。
各検査方法による抗体数値については下記となります。
EIA法(素免疫測定法)
【予防接種を受けたことがある人】
・ 16.0以上:抗体数の基準を満たしている(感染しにくい)
・ 16.0未満:抗体数の基準を満たしていない(感染しやすい)
【予防接種を受けてない人】
・ 2.0未満:抗体数の基準を満たしていない(感染しやすい)
NT法(中和法)
【予防接種を受けたことがある人】
・ 8倍以上:抗体数の基準を満たしている(感染しにくい)
・ 4倍:抗体数の基準を満たしていない(感染しやすい)
【予防接種を受けてない人】
・ 4倍未満:抗体数の基準を満たしていない(感染しやすい)
PA法(人工担体凝集法)
【予防接種を受けたことがある人】
・ 256倍以上:抗体数の基準を満たしている(感染しにくい)
・ 128倍未満:抗体数の基準を満たしていない(感染しやすい)
【予防接種を受けてない人】
・ 16倍未満:抗体数の基準を満たしていない(感染しやすい)
麻疹を予防対策は予防接種(ワクチン接種)のみ
国内で発症する麻疹は海外から持ち込まれて感染が広がっていきます。
麻疹は感染力が強く、接触・ 飛沫・空気など様々な感染経路で感染してしまう病気です。
マスクでは予防できない理由
インフルエンザなどが流行すると、マスクを着用して感染予防をする人が多くなります。しかし、麻疹が流行しているからといって、マスクで感染予防している人は注意が必要です。
なぜなら、麻疹ウイルスの直径は100~250nm(ナノメートル)であり、一時期流行ったPM2.5よりもとても小さいため、現在一般的に売られているマスクでは完全に予防することができません。
ちなみにPM2.5の直径は2.5 µm(マイクロメートル)で、麻疹の単位に合わせると2500nmと1000倍の差があるのです。
麻疹予防は予防接種で免疫を高めるしかない
麻疹の予防対策で一番効果が望めるのが予防接種(ワクチン接種)です。
これからさらに麻疹が増えるとワクチンの製造が追いつかず、予防接種を受けたくても受けれないことになる可能性もあるので、早めに予防接種を受けるといいでしょう。
予防接種の費用はどのくらいかかる?
大人になってから、麻疹の予防接種を受けるときは自費となります。
インフルエンザの予防接種と同様に、各医療機関が自由に費用を設定しているので、正確な費用というものはありません。
麻疹の予防接種は2つのタイプがあり、麻疹単独と麻疹風疹混合(MRワクチン)の2タイプがあります。
麻疹のみ場合だいたい5000円~8000円前後 、混合タイプだと8000円~10000円前後くらいが相場だといわれています。
麻疹のワクチン接種が不足している場合は、混合タイプを接種することもあります。
混合タイプを受けたからといって麻疹への効果はほぼ同様なので安心してください。
まとめ
今年の麻疹流行はまだまだ続きそうなので、早め早めの対処が大切です。
住んでいる地域で麻疹患者が出た場合は、すぐに予防接種を受けることをオススメします。
この記事を読んで、少しでも麻疹の抗体検査の知識が身に付き、お役に立てたら幸いです。